第三話 選ばれた人間、なんや 何度か質問をして気付いた。 見た目はシュールそのもののそいつだが、悪いやつではなさそうだ。 「てゆーか、オタマロさんはなんで俺の家に来たんですか?」 「ふっ、それは、やな……」 もう慣れてしまった間をおき、 「僕は、こけら君と、お友達に、なりたいんや」 と言った。 何かに似てると思ったら、渡○陽一さんに似てるなー。 ……って、え!? 今なんて言った? お友、達? オタマロさんの口からお友達ってシュールすぎるだろ。 いや、顔も十分すぎるほどシュールだが……。 「お、お友達って……、意味わかんないですよっ」 間をおき、 「そのままの、意味、さ」 なんでオタマロさんは、このしゃべり方するときドヤ顔なんだろ……。 あれ、普段からドヤ顔なだけか。 「そのままの意味って……」 今度は間をおかず、 「僕はな、愛と勇気だけがお友達やねん。 だからもっと、お友達が欲しいんや」 「ああ、なるほ・・・・」 って、待て俺! 何納得しかけてんだっ! 愛と勇気って……、シュールと神様の遊び心から生まれた顔して言えるセリフかよ……。 そして、アン○ンマンまでもぱくろうとしてんのかこいつは! ある意味第2のアンパンマンだな(シュール的な意味で)。 「お友達、なってくれるか?」 「っえ」 どう返事すればいいんだろうか。 下手に返事して殺されたら嫌だし……。 「え、っとぉ、なんで俺なんですか?」 まず理由を聞いてから考えてみよう。 「実は、な……」 間をおき、 「こけら君は、選ばれた人間なんや」 「は、はい?」 は? な、なにその中二があこがれそうな展開! 俺はうれしくねぇぞ! こんなシュールなやつに出会っただけでもホラーなのに、 選ばれた人間って……。 ん? というか、何に俺は選ばれたんだ? 「え、選ばれたって、一体何にですか?」 「聞くか?」 オタマロさんの言い方が、今までより少し真面目だった気がする。 一体どんなことを聞かされるんだろう。 こけらは恐怖を覚えながら、そいつに返事をした。 「き、聞かせてください……っ」 「それはやな――」 オタマロさんは大きく息をすってゆっくりと言った。 「フクロインタイショウや」 んん? フクロインタイショウ? 何だよそれ。 フクロ イン タイショウ? 袋 in 大将? な、袋の中の大将って何! 「お、オタマロさんっ、袋の中の大将って一体なんなんで「袋に隠れると書いて大将や」 俺の質問をすぐ理解したようで、言い終わる前に答えてくれた。 袋 隠 大将・・・? だとしてもそれは一体なんなんだ。 そして、シュールから一気にシリアス中二展開になってないか!? ▲▼ [戻る] |