第二話 オタマロえもんってなに 「えっと、その、南こけらで……す」 「しっとる、しっとる。てかさっきから名前でよんでるやろ?」 「あ、すみません」 「ええよ、ええよ。気にしとらんわあ」 じゃあいうなよ、なにこいつ。 1時間ほど前のこと。 「シュールすぎんだろこの光景ぃぃぃいいい!!」 というツッコミをしたあと冷静になり、とりあえず自室の二階をはなれ一階のキッチンへ走っていった。 が、誰もいなかった。 そういえば今日は、母は中学校時代の同級生の家に遊びに行き、父は出張だったな。 母が作っておいてくれた朝食を食べ、テレビなどを見ながら落ち着きを取り戻した頃にふと思った。 あの変なの残して部屋でたけど大丈夫かな。 もしかしたら、あいつは宇宙からやってきたエイリアン!? でもオタ○ロだよな。 でもド○えもんだよな。 いろんな思考が巡ったが、そいつを一人(?)部屋においておくのは危険だと判断し、ゆっくりと部屋の前まで来た。 おい、やべぇよ、超こえぇよ。 涙目な俺は、意を決し扉を開けた。 さっきと同じように、俺の机の上にコーヒーメーカーを置いて、コーヒーをすするそいつがいた。 そして、俺は死ぬ思いで声を出しす。 「ぉ、うぉまぅぇ、ぬぁ、ぬぁん「座れ」 お前何なんだよ。と言いたかった。 声も震えて何言ってんだかわからないし、 言い終わる前にはいった、そいつの声が異常に怖かった。 「は、はぃ……」 本気で死ぬかと思うほど怖かった。 静かに俺は正座し、下を向いていた。 すると気配が近づき、俺の前で座った。 ……。 沈黙。 これがここまで恐ろしいものだとは俺は知らなかった。 とにかく、そいつの機嫌をそこねるようなことはしたくなかった。 「えっと、その、南こけらで・・・す」 「しっとる、しっとる。てかさっきから名前でよんでるやろ?」 「あ、すみません」 「ええよ、ええよ。気にしとらんわぁ」 恐怖よりもイラつきを覚えた。 じゃあいうなよ、なにこいつ。 さっきの恐怖心がうすれ、俺は聞いてみた。 「あの、あなたは何なんですか?」 「俺か……」 そいつは間をおき、 「オタマロえもん、や」 と言った。 は……? 言いたいこと、ツッコミたいとこは山のようにある。 オタマロえもんってなに。 つーかあきらかドラえもんのぱくりじゃん。 そしてなんでここに居るの。 なんでそんなシュールなの! リアルに怖いわ! てかさっきの間はなに!? 頭の中でひたすらツッコんでいたが、すぐに気を取り直し、最初の疑問を聞いてみた。 「え、えっと、オタマロえもんってなんですかっ?」 「オタマロえもんが何?だと……」 そしてまた間をおき、 「未来の、ネコ型、ロボットや」 いやいやいやいやいやいや。 そこまでドラえもんぱくなくていいでしょ。 お前の場合、おたまじゃくし型か、マロ型だし! あとその間、だんだん腹立ってくる! うぜえよ! ほんとになにこいつ……。 ▲▼ [戻る] |