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sOS
夜 シリアス
 
「こいずみ、」
冷たい部屋にこぼれた音は拾われることも、返されることもなく収束した。




今日もいつも通りの一日だった。
いつも通りの眠たい授業にいつも通りのクラスメイトとのやりとり。そのままいつも通りに団活-朝比奈さんが入れてくれたお茶をのみ、古泉をボードゲームでぼこぼこにする-をして無事に終わるはずだった。
それなのに。


「すみません、ちょっと。」
「バイトか?」
「ええ…今日は大丈夫だと思ったのですが、」
そしていつも通り古泉の部屋で俺たちはそれなりのことをしていた時だった。これに関してはいつも通りなのがちょっと腹立たしいが。たまには…まあこの話はおいておこう。時刻はまもなく天辺に指しかかろうとしているところだった。
いくな、とは言えない。閉鎖空間が出るのは俺が原因のでもあるのだから。
「気、つけろよ。」
「…すみません。いってきます。」
てきぱきと身支度を整えて足早に去っていく後姿に俺は何も言うことができなかった。
「…なにやってんだろ、俺」
改めて冷静に状況を確認する。他人の家に全裸で一人立ち尽くしている俺。馬鹿みたいだ。いや馬
鹿なんだろうな。脱ぎ散らかした衣服を集め、古泉の何倍もの時間をかけて着る。しわくちゃな服はまるで自分の心を映し出しているようだった。




―――
落ちないよ!


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あきゅろす。
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