■◆コタ♀赤ジュリ/↓ジュリ視点
「ボチボチお昼にしよっかな〜どこにしよっか?」
「ここ、入って新しい方だけど結構評判いいよ」
「パスタかー…いいね!」
荷物持ちのコータローがトイレに行っている間、荷物をベンチの近くに置いて赤羽と昼食の相談をしていると、足元に影が落ちてきて顔を上げる。
「君達、可愛いね〜」
「二人で買い物?」
「うぇ…」
「………」
コータローが離れて多分5分くらい…部長から心配はされていたけど、まさかこんなベタに絡まれるとはねぇ…
「すまないが、私達は用事があるんだ。他を当たってくれ」
「用事って買い物?荷物いっぱいみたいだもんね、俺が持ってあげるからさ」
「…っ!触らないでよ!」
「気ぃ強いね〜俺そういう子好きだわ」
「俺、巨乳好きだから断然こっちの赤髪の子だな〜」
「えー?こっちの水色の方も結構イケてんじゃん」
「そっちの赤髪の方が断然デケェけどさ」
「まぁ、とにかくさ、俺達と来いよ」
「あっ…!」
私の苛々がピークに達しそうになったとき、赤羽狙いの男がその肩に手をかけてきて、私が文句言おうとしたら赤羽が私の前に手を差し出して止めてきた。
「フー…強引に触ってきたね」
「あぁ?」
「正当防衛成立だ」
いつもよりワントーン低い声でそう言うと、赤羽が私の方に向けていた手を男の胸元へ持って行って…
スッパァァァァアァァンッッッ!!
同時にすごい小気味のいい音と共に、男が吹っ飛んだ。
「な、なにすんだこのアマ…!」
「フー…こちらが散々拒んでもしつこく絡んできて、おまけに窃盗未遂。君達のような下衆の奏でるメロディーは私達にとって不協和音でしかない」
「あぁ?なに訳分かんねぇこと言って…」
他の男が明らかにさっきまでと態度変えて凄んできたけど、手を払いながら立ち上がった赤羽のサングラス越しの眼を見て言葉を詰まらせる。
「…不快だ、失せろ」
「ひっ…!」
「こ、この女ヤベぇって…!行くぞ!!」
赤羽のそのたった一言で萎縮したらしい男達は、吹っ飛ばされて気絶してるのを抱えて情けない捨て台詞吐きながらどっか行っちゃった!
「さっすが赤羽!いつもながらお見事だね!さっきのあいつ等の顔見たー?」
「あんな程度で怯むような連中に私達が靡くと思われたと思うと不愉快だね」
「まったく本当だよ!…って、コータロー!あんた何やってたのよ!」
赤羽が撃退してくれたことで大分軽減されてた苛々を、ほとぼりが冷めた頃にノコノコ帰ってきたコータローにぶつける。全く、肝心の時にいいないんだから!
「なんで俺が怒られなきゃいけねぇんだよ…つか、さっきの奴等…」
「ナンパよナンパ!赤羽が追い払ってくれたけどね」
「やっぱり俺必要なかったじゃねぇかよ」
「なに言ってんのよ、必要よ?」
「あぁ、荷物持ちとしてね」
「あーあーそうですか!」
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