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◆モジュレンミク
≫スターマイン×サマーメモリー


今日は所属事務所のサマーフェス。僕にとってはデビューしてから初めての大きなステージだから、余計に緊張感が増している。
そしてなにより、偶然今回の開催場所が僕の地元の近くで、今日は8月最後の日…彼女の誕生日。だから日程を知らされたとき、駄目元で彼女に『見に来て欲しい』と一方的に連絡をした。


いよいよ僕の番。舞台裏に戻ってきた青月先輩に背中を叩かれ、僕は覚束ない足取りでステージに上がった。
目の前に広がる人波と、異様な熱気に思わず足が竦む。…でも来てくれているファンの為にも、押し負けるわけにはいかない。
気合を入れてマイクを握り客席を見下ろすと、大勢の人ごみの中に青緑の髪に映える薄水色の帽子と、同じ色のワンピース姿が視界に映った。その姿を確認した瞬間、さっきまでの緊張が嘘のように力が解れ、僕は万遍の笑顔を浮かべる。

「この歌を、君に捧げます」

僕の言葉に、客席から黄色い声援が上がった。これは僕の名が広まるキッカケになった歌のキャッチフレーズ。
今日、ようやく本当に捧げたい人に向けて歌える。



『「最初から君を好きでいられて良かった」なんて 空に歌うんだ』

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