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Wonderful days
従兄なんだぞ
嫌がる奏汰を連れて、エントランスに向かうと、其処には、テニス部部長兼生徒会長である跡部景吾の姿と、青春学園のテニス部部長兼生徒会長の手塚国光の姿が合った。
そして、その姿を写そうと、必死になってスマホを弄る女子生徒達。

「う?あれは……」

奏汰を連れて来た女子生徒は、「邪魔しないでよね」と云いながら、ベストアングルを探して、スマホを動かしている。
そんな女子生徒を余所に、奏汰は気配を消し、息を殺しながら、抜き足差し足で歩き始める。
こう云う時、自身の身体の小ささに感謝していた。
目的地まで辿り着くと、目の前に居る少年の背中を指で突っついた。

「……何をしている?」
「キミの背中を突っついているのだよ、ハチミツくん」
「奏汰、好い加減名前を覚えろ。国光だ」
「別に覚えなくても生きて往け――…努力します」
「判ったのならそれで良い」

国光に睨まれて、奏汰はシュン、と顔を歪ませる。

「桜井…お前、手塚と知り合いか?」
「ボクとハチミツくんは従兄妹だ」

ニコニコ、と笑い、国光の右腕に抱きつく奏汰と、無表情の国光に周囲は、

「嘘でしょー!!」

と叫んでいたのは云うまでもない。

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あきゅろす。
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