Wonderful days 放課後フィーバーか!! 時間はあっ、と云う間に過ぎ、放課後。 奏汰は部活に所属していない為、のんびりと本を読んでいた。 その姿が度々目撃される為、付いたあだ名は、"氷帝の奇人変人、本の虫"である。 無論、本人もその事は知っている。 知った瞬間「確かにそうだ、的を得ている」と云って、爆笑していたが。 それは兎も角、奏汰はこの読書の時間がとても好きだった。 誰にも邪魔をされる事なく本が読める―――…その筈だった。 ダダダ、と、廊下がけたたましく鳴り響くと思いきや。 「ねぇ!!大ニュースよ!!大ニュース!!青学の手塚君が来てる!!」 「手塚君と跡部様の2ショット!!激レアじゃない!!」 「見に行くわ!!写メ撮らなきゃ!!」 教室に居て、無駄話に勤しんでいた女子生徒達は、スマホ片手に走り出す。 「……放課後までフィーバーか(--;)」 奏汰はポツリ、と呟く。 すると、1人女子生徒が戻って来た、と思いきや、 「アンタも行くの!!」 「何で!!(゜□゚ノ)ノ」 「アンタはエサなの、エーサ!!黙ってたら美少女なんだから!!」 その言葉に、奏汰、絶句。 女子生徒は、茫然としている奏汰の腕を掴むと、目的地である場所に一目散に向かった。 「ボクまでフィーバーに巻き込むなー!!」 奏汰の悲鳴は、女子生徒の耳には届かなかった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |