Wonderful days
兄上、登場
ドカドカドカ…、足音が奏汰の怒りを物語る。
「陽香ッ!!インターホンを連打するなッ!!」
ドアが乱暴に開かれる。
すると、きょとん、とした眼差しで、1人の青年が奏汰を見つめる。
「いっ、いっ…、一番目の兄上ッ!!(゜ロ゚ノ)ノ」
「さっき、陽ちゃんから預かったよ。はい。鞄と靴」
にこ、と笑って、靴と鞄をぶら下げる。
「あ―――…道理で、手が軽いなぁって思った」
「奏汰ッ!!」
青年の声が一際大きくなる。
「ふぇ…ッ」
じわり、と、奏汰の目に涙が浮かぶ。
「ふぇええ……ハチミツく―――ん(T□T)」
奏汰は、泣きながら、家の中に入って行った。
◇◇◆◆◇◇◆◆
「奏汰、離れろ」
「いーやーだー!!」
ぎゅう、と国光にしがみつく。
「あー……気にしなくて良いよ(^^;」
「海音さん…(--;)」
「仕方ないよ。奏汰は叱られると、国光君。キミの所に逃げる癖があるからね」
ぎゅ、と、しがみついて来る奏汰を振り払う事が出来ず、困り果てた国光は海音に助けを求めるが、助ける気配は皆無。
「それに、そんな状態じゃあ……ねぇ(^^;」
「え?」
国光は、しがみついている奏汰の頭を撫でているのに、気が付いた海音は苦笑いを浮かべ、指摘した。
「……あ」
どうやら、無意識だったようだ。
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