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いろいろお題
[コーセルテル]〜眠れる月〜


「・・・今日も楽しい一日でした、と」

日誌を書き終わり、マシェルは子竜達の様子を見に行きます。

サータ・ハータのお部屋。

「くーくー」
「すやすや」

寝相の悪いサータの お布団を掛け直しました。

ナータ・アータ・カータのお部屋。

「…」
「すーすー」
「にこにこ」

最近 翼を出さないナータに マシェルも にこにこ。

マータ・タータのお部屋。

「すうすう」
「くすくす」

来るたびに 可愛い飾りが 増えています。

みんな グッスリ、いい夢を見ている子も いる様子。

「ふわぁあ〜あ。僕も寝よう」

マシェルの一日が終り、コーセルテルは夜の帳へ。

他のお家では どんな夜を過ごしているのかなぁ?


〜眠れる月〜

                

まずは地竜家です。

小さい子達のお部屋では マシェル家と同様に 心地良い寝息が聞こえます。
だけどひとつだけ、明かりが点いている お部屋がありますね。

「・・・今日も平穏な一日でした」

あれあれ?
日誌は竜術士が書くものなんですが…

「お? ユイシィ。まだ起きているのか」
「先生…私は本来 竜術士が書くべき日誌を 書いていたんです」

ちょっぴり、むうっと 脹れてみせます。

「悪い悪い」

補佐竜になって幾年月。
いつの頃からか 日誌は ユイシィのお仕事に なっていました。

「先生こそ、明日も地下書庫の調査で 朝 早いんじゃ…」
「そうなん…だがな、ちょっと小腹が空いて…」
「じゃあミルクでも温めま・・・・?」

ユイシィが 立ち上がると、目線に合わせて ぽかぽかのカップが。

「先生…これは…?」
「…多く作りすぎてな…いっしょに飲むか?」
「…♪… … …はい^^」

あったかいミルクに ランバルスと ユイシィの心も ぽっかぽか♪

               ★

次は風竜家。

「わーわー!」
「おー!!」
\きゃはは/

元気が有り余ってる風竜達は 夜でも遊びたいのです。

「グレイス、ゼイン、フアナ! いい加減に しなさい!」
「げ…ロッティ」
「おー! ロッティも やろー」
「あたしは 枕投げなんか もうしないもん!」

マシェルが一人前の竜術士になれるように、心配させないように。
イタズラはもうしない、と、ロッタルクは 心に誓ったのです。

\いっしょに遊ぼー!/
「遊ぶのは昼間だけ。夜は寝な…きゃ!?」

油断していた ロッタルクの後頭部に 枕がHIT。

「誰なのー!?」

と、振り返ると また後頭部に 枕がHIT。
グレイス達は 当然 しらんぷりします。

「〜〜〜もおー! 怒ったわよーー!!」
「わー! ロッティも枕投げー!」
「負けないぞー!」
\みんなで楽しいー!/

「あ〜あ。ロッティまで…」
「あはは。疲れたら みんな眠るよー♪」

賑やかな子供部屋に ジェンはやれやれ、ミリュウは あはは^^

               ★

こちらは木竜家。
日誌は ちゃんと 竜術士が書いていますね。

「カディオー? まだ 起きているの?」
「ん…ノイか…みんなは?」
「みんなは もう寝ちゃったわ。キーニ達も お家のお手伝い、張り切っていたから」
「そうか。ロイも よく頑張ってくれているからな」

地下書庫 調査では ロイも補佐竜として カディオの手伝いを 頑張っているのです。

「俺もすぐ休む。先に 寝ていても いいんだぞ」
「…いーえ! カディオが お布団に入るまで 見届けるわ」

お仕事の し過ぎで徹夜…な〜んて 事態が起きないように、ノイとロイは 考えたのです。

「カディオが寝るまで、どっちかが 起きてるって 決めたの」
自分が寝ないと 子竜も起きてる。

「寝てくれないと…起きてる役目を ロットに 任せちゃおうかなぁ」

末っ子のロットに 夜更かしを させてまで、お仕事は出来ません。

「やれやれ…今日は ここまでに するか」
「素直でよろしい」

お仕事も大事だけど、宝物達も大切なのです。

               ★

そして水竜家。

リリックは明日の朝ご飯の仕込み中。
エレは小さい子達を 寝かし付けていました。

\スヤスヤ/
\スウスウ/

ラティとティルクが眠り、そ〜っと部屋を出ようと・・・

「「・・・エ〜レ♪」」
「きゃっ!…まだ 起きていたの?」
「あたしは 少年竜だもん。まだまだ 宵の口だわ」

幼竜と同じ時間に 眠くは なりません。

「クララも毎日 書庫でお手伝い しているんでしょ? 早く寝なきゃ」
「うふふ♪ あたし、聞いたんだから」
「何を?」

「エレと木竜術士さんの事♪」

「き゜ゃ゜っ!?」
眠った子竜を起こさないように、エレは必死に悲鳴を抑えました。

「あたしにも聞かせて〜♪ 書庫回廊での事♪」
「クララったら…話さないと 寝そうにないわね」
「うふふ^^」

秋の夜長に 恋のお話ひとつ、ふたつ。

               ★

ここは火竜家ですが…静かですね。

「すやすやすや」
\ムニャムニャ/

小さな子が いるお家は 夜が早いようです。

               ★

ここ、光竜家も…静かです。

「にこにこにこ」
「すー」
「ニコニコ」

「くー」
「すぴー」
\くかー/

光に敏感な光竜達。
朝が とっても早くて 夜も とっても早いのです。

               ★

最後は暗竜家。

「…」
「…」

暗竜の姉妹は仲良く就寝。
恐れも、不安も無く、翼は出現しません。

               ★

最後の最後は 新米 暗竜術士と その子竜。

\…む?/
「あ。プレア、起こしてしまいましたか」

静かに静かに、明かりも点けずに 読書中。
けれど 少しの ページを開く音。
浅い眠りのタイミングで プレアは 起きてしまいました。

\おっさん、寝ないのか?/
「どうも 夜になると 目が冴えて…」

\おれが熱を出した時も寝てない/
「そ、それはプレアが心配で…」

\昼間は書庫回廊で調べ物/
「プレアの病気が治る方法を 探さなくては いけませんからね」

\じゃあ あんた、いつ寝るんだ!/
ぷうっ! と、脹れて言います。

\いつか…空向こうに行く時、おれは元気でも あんたが 元気で なかったら…/
寝ているところを 見ないテイムが 心配なのです。

「プレア…」
\いっしょに…行けなかったら…/

ギュっと、テイムを掴みます。

「…分かりました。いっしょに寝ましょう」
本をテーブルに置き、お布団に入りました。

\ふん…おっさんがいっしょに 寝たいって言うなら…寝てやってもいい/

(…ふふふ。まだ起きている テイムさんにお夜食でも、と 思ったけれど…必要ないみたいね♪)

ゆっくりと、絆を深めていく 新米竜術士に 微笑むメリアでした。




∽∽∽あとがき∽∽∽

”眠れる月=コーセルテル”ですが、ここでは”月”だけで コーセルテルの意味を 持たせています。

そして”眠れる”から 夜の風景をイメージ。
イルベックを待つあいだ、連載再開後の 夜のお話を 書いてみました♪

ここまで読んで下さり、ありがとうございました!!

お題:コーセルテル「眠れる月」

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