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いろいろお題
[遙か6]〜明日は誰の家で(朱雀・玄武)〜


帝都に平和が戻ったある日。

「―― ん? んんお???」

キョロキョロ〜と、今いる面々を見回す。

「どうかしたのですか コハクくん?」
「うむ。そろそろ おやつ時だからな」
「…お宅はしょっちゅう そうだろう」

おやおや〜?
この組み合わせだと・・・・・

「おおおーーーっ!!!」

帝国軍サイドに 鬼サイドひとりの 状況なのだ!!


〜明日は誰の家で(朱雀・玄武)〜



「どうしよ〜>< おれ、有馬さんと 交代した方がいい?」

「別に構いませんよ。コハクくんは僕の対ですし」
「うむ。天地の八葉が 仲睦まじいのは 好ましい」
「ま、あんまり 気張らなくても いいだろう」

軍と鬼のゴタゴタも ひとまず終息しているので。
何の問題もなく コハクは受け入れらた。

「それに コハクくんは”鬼サイド”とは 言っても 鬼の一族ではありませんし」
「植物園で 最初に出会ったのが 高塚や ダリウス達だった だけだからな」
「我らの側に 入っていても おかしくはない。この村雨も ダリウスと 通じておったし」

同じ対で 知己なのに。
裏切られた九段は むう…っと、頬を膨らませる。

「あのな…俺は元々”中立”の 立場なんだ」
「ぬしは いつも そうなのだ。信じていたのに凹」
「まあまあ、村雨先生も 九段殿も それくらいで…」

見兼ねた 秋兵が あいだを取り持つ。

「…我は今日、傷心なのだぞ凹」

そうして、九段は イジイジと いじけモードに。
それは今朝の事。


――「九段。今日は 梓と ふたりきり、女の子同士で 過ごしたいの」――
――「良いな。神子ふたりが 仲睦まじいと 龍神も喜ぶ」――
――「そう 言ってくれると 嬉しいわ^^ じゃあね、九段」――
――「え∵?」――


九段は 神子ふたりと、自分も含めて 過ごすのだと 思っていたのだ。

「梓も千代も 神子としての勤めを 立派に果たした…我はもう…必要 無いのだなTT」

「ありゃりゃ〜。よしよし 九段さん」
いい子いい子と 宥めてあげた。

「およ?…そういえば…」
九段を慰めていた コハクだが、ちょっぴり難しいお顔に。

「なんだ? まだ何かあるのか?」
「う〜ん…おれは 快く受け入れられたけど、有馬さんは 大丈夫かな〜って」

「おお。有馬がいなかったのだな。どうしたのだ?」
ポムっと、有馬がいない事に 気が付いた。

「それが 今日は用事が あるとかで 朝から別行動なんです」

秋兵にも 行き先も告げずに。
有馬はいったいどこへ???

その疑問は この子が 知っていた!





「はいは〜い! 有馬さんなら ダリウスさんの お邸に いまーす」





「は?∵」×3
目が点になった 秋兵・九段・村雨。

「だっておれ、ここに来る前、森の中で ウロウロしてた有馬さんを お邸に案内して きたんだもーん」

「…有馬がダリウスの邸に…?」
「確かにふたりは天地の青龍…」
「い、いえ…それよりも…」

秋兵は すくっと 立ち上がった。

「秋兵さん どこ行くの?」
「有馬が鬼サイドの中でひとり…興味深い状況なので ちょっと見てきます^^」
「おお そうだ! 眉間にシワばかり 寄せている有馬が どんな胸中でいるのか…我も拝見したいぞ^^」

普段 感情を表に出さない有馬が 気まずい状況に置かれ、あわあわ なっているのを 見てみたい♪

「行きましょう、九段殿!」
「うむ。急がねば!」
「え…、えええ〜〜〜???」

秋兵と九段の行動は素早く、誰にも止められなかった!

「ど、どうしよう〜。村雨さ〜ん」
「ああ なっちまったら 止める術は無いさ。成り行きに 任せるんだな」
「だけど 有馬さん、面白がられちゃってるよ」

あわあわ なっているのを 見られたら 真面目な有馬の事。
あとあと 面倒な事になりそうな 予感しかない。

「さて、と…」
それは さて置き、ひとり 机に向かう 村雨。

「原稿でも仕上げるか」

人数が少なくなったので♪
締め切り間近な村雨は 小説家モードに切り替えた。

「ええ〜〜。村雨さん マイペースだね〜」
「(お宅に 言われたくないんだが…)秋兵に話があって来たんだろう。追い駆けなくていいのか?」

「う〜〜〜〜ん・・・・・待ってる^^」
「…そうか」

ひとりきりの方が集中できる。
賑やかなコハクも お出掛けしてくれた方が 有り難かったのだ。

「ねえねえ。締め切りってなぁに? 原稿 見てもいい??」

案の定、まとわりつくし。

「そっちの ならいいぞ。順番 めちゃくちゃに するなよ」
「はーい。おおー。おおおー。んお? ねえねえ、村雨さーん!」

「…なんだ?」
話し掛けられると 相手せざるを得ない。

「これとこれ、おんなじのが 書いてあるよ?」
「これは完成した原稿。そっちは清書前の…って、お宅、読めるのか?」
「うん。あ、読めるってゆーか、難しい字は 読めないけど。おんなじ字が 書いてあるのは分かるー」

難解だと 言われる 村雨の文字。
解読者は 自分しかいないと されていた。

「…ここに書いてある文…原稿に書いてみてくれ」
「? うん いいよー」


書き書き…
書き書き…


「書いたよー」
「どれ…」

一門一句、難読文字が 第三者にも 分かる文字に なっていた!!

「これなら いける…少し 手伝ってくれないか?」
「は〜い♪」

何だか よく分からないけど。
お手伝いは 大好きな コハクだった。

「なるべく マス目に入るよう 書いてくれればいい。あとで何か奢るよ」
「やった〜^^」


書き書き♪
揉み揉み。

書き書き♪
揉み揉み。


連日 丁寧な文字を書き続け、お疲れな村雨。
原稿は しばらくコハクに預け、揉み揉みと 肩を解す。


    ――…ザアザア…――


「ああー! 雨 降ってるよ、村雨さん」
「ん?…通り雨か?」

揉み揉みと 肩を解しながら 窓の様子を窺う。

「秋兵さんと 九段さんが びしょ濡れになって 走ってきてるよ! タオル 持ってって あげよーっと!」

コハクに”原稿=お仕事”の 認識が無いので凹
気持ちが散漫に なってしまうらしい。

「…しゃーない。珈琲でも 淹れてやるか」

ついでに ひと休み。
午後から 頑張ろう。

            ***

「ほう〜。村雨先生の珈琲…冷えた身体に染み渡ります〜」
「ほふ〜。我は もう少し 甘いのが好みだ」

ミルクで 十分 甘い珈琲だが、ポイポーイと 砂糖を ひとつ ふたつ、みっつ。

「サンドイッチ うまーい♪ モグモグ^^」
約束通り、奢ってもらった サンドイッチを頬張る。

「これ食べたら 続き やるからね、村雨さん」
「ん? ああ。頼むよ」

まだ 手伝ってくれるらしいので、締め切りに 間に合う…かな?

「おや コハクくん。村雨先生のお手伝いを しているんですか?」
「うん。村雨さんの原稿を 読めるようにするんだって」
「え…そ、それは もしや…」

秋兵の目がキラキラと輝く。

「村雨先生の 次回作が 逸早く 読める!? 先生! 僕もお手伝いしたいです!!」
「! それは 願ったり叶ったりな 申し出だ。頼むよ」

すでに腱鞘炎の村雨に これ以上 丁寧な文字を書く 力は無い。
梓と同じように 代筆してくれる 人物が増えれば、締め切りに 間に合いそう。

「対の危機は救わねば。我も力を貸そう」

代筆が2名になった。
これなら コハクのも合わせて 一気に3枚ずつ完成する。

「ふう…何とか 締め切りには 間に合うな(声が嗄れそうだが)」

ハイカラヤで 仲睦まじい 朱雀組と玄武組、なのでした^^




∽∽∽あとがき∽∽∽

お題で掛け合いは 基本 大団円ED後が 舞台です。

正確には”八葉”ではない 皆さんですが、なんやかんやで 八葉候補であると 知らされました(←龍神に)

そこら辺、曖昧なのは 異世界に留まった 千代と梓の関係くらい ふんわりしたカンジなのです(^^♪

コハクの 秋兵への用事は 祝勝会関連の相談で やって来たのでした。
明日・・・と、いうか。今日は ハイカラヤで 村雨さんの原稿を手伝おうー!

ここまで読んで下さり、ありがとうございました!!
お題:仲良し四人組「明日は誰の家で」


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