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いろいろお題
[DB]〜空は青い〜


     ―― ひゅーん ひゅーん ――

「ブラちゃーん! 見ててーー!!」
「わあぁ! パンちゃん すごい!!」

パンは 覚えたての武空術が 嬉しくて 何度も何度も 旋回した。

「パンー! もう そろそろ 降りた方がいいぞー」
悟空は 地上で 孫の武空術を見守っていた。

「やー! もっと飛べるとこ、ブラちゃんに 見せるのー!」
「でも おめぇの気じゃ 長い時間は飛べねぇぞ」

事実、パンの 飛行スピードは 落ちていた。

「パンちゃんの おじいちゃん。飛べなくなったら どうなるの?」
「ん? そりゃ 落ちるさ」
「パンちゃん…落ちる・・・・・」

ブラは想像してみた。

――「あーれー」――
――「パンちゃん!?」――

――…ごちん…――

――「えーん えーん!」――
――「うえーん。パンちゃんがーTT」――

落っこちてケガをして、ふたりで いっぱい 泣いちゃう未来だった!

「パンちゃーん! 降りてーー!!」
飛べないブラは 大きく手を振り、パンを地上へ呼び寄せた。


〜空は青い〜



ブラの様子が尋常じゃなかったので(笑)
パンは素直に従った。

―― すたっ!…ふらふら…――

初めての武空術。
少し張り切り過ぎちゃいました。

4歳になったばかりの パンの気は かなり消費されていたのだ。

「おっと。だから ムリすんなって 言ったろ?」
「えへへ…」

悟空に支えられ、パンは倒れずに済みました。

「え〜ん。パンちゃ〜ん」
キュっと くっ付き、えんえん 泣き出した。

「ブラちゃん!? なんで泣いてるの???」
「おめぇが落っこちて 怪我しないか 心配だったのさ」

悟空は ブラの結い上げた髪を崩さぬよう、優しく 撫でてあげながら 説明した。

「そうだったんだ」
「うん。それにね」

涙を拭きながら、ブラは言う。

「パンちゃん、女の子でも修行していて 痛いの、いっぱい」
悟飯の修行…と までは 行かないが、組み手や受身が 欠かせないのだ。

「組み手は 本気じゃないし、受身は ダメージを減らす為の ものなんだよ」
「でも…」

サイヤ人の血を引く子でも、ブラは修行していない。

ベジータが トランクスの時のように 鍛え上げねば!

…とも 思っておらず、ブルマのお許しも出ないだろう。

ブラは一家のお姫様。

時空を越えた 勇者と出会い、トランクスの”お兄ちゃん”への 憧れは 強くなっていった。

キッカケは ブルマの 何回目かの 誕生日パーティー。
破壊神が現れ ブルマをビンタ。

それに激怒した ベジータの姿に、ブルマは また惹かれて・・・♪♪♪
そうして ブラが誕生したのだ^^

「あのね、ブラちゃん」
パンは空を指差した。

「パン、空を飛べるようになって、雲の上まで飛べたらって、思ったんだよ」
今日の天気は くもくもの曇天。

「毎日 まいにち、雨・雨・雨><」
「梅雨だもん。仕方ないよ」
「ブラちゃん、言ったよね。漢字の成り立ち」

僅か5歳で 宇宙船を修理した 天才少女ブルマ。
ママ、おじいちゃんの 天才遺伝子を 濃く引く ブラ。
彼女も 齢3歳で 漢字を理解していたのだ!

――「お日様って どこに行ったのかなぁ?」――
――「え?」――
――「ママと おばあちゃんが言ったよ。お日様がいないと お洗濯できないって」――
――「う〜ん…」――

ブラは少し考えて、ノートに”くもり”の 漢字を書いた。

「お日様は雲の上にあるんだって!」
「そっか〜。だから パン」
「うん!」

気が足りず、武空術が使えない パンは 空に向かって、手を伸ばす。

「だから パンが お日様を連れてくるの!」
困っている ママと おばあちゃんの為、お日様を 連れてこようと思ったのだ!

「ええ〜^^」
「あのね、パンちゃん」

悟空とブラは 健気なパンに 思わず 笑みが零れた。

「もうちょっとで 雲の上だったのになぁ・・・あ!」
「あ♪」

厚い厚い、雲の隙間から。
恥ずかしがり屋の お日様が 顔を出した♪

「よし! いっちょ 行ってみっか!」
悟空は パンとブラを ひょいひょい、と 抱き上げた。

「しっかり掴まってろよ〜」
「うわぁ〜^^」
「きゃあー><」

キャっキャっ と はしゃぐパン。
きゃあきゃあ と 怖がるブラ。

姫達を抱え、ふわぁっと 曇天へ向かうのだ。

               ★

ひゅ−ん…と、雲を突き抜けた。

「うわぁあああ!!!」
「すごぉい…!!」

漢字は”そのもの”を 文字にする。

曇りの お日様は 雲の上。

「お日様、みーつけた!」×2

お日様のかくれんぼ。
青い青い、空の上で 見つけたよ♪




∽∽∽あとがき∽∽∽

お題を見た瞬間、空を飛んでいる パンとブラが 思い浮かびました。

でもブラは飛べないので凹

ブラを飛ばせる役目として 悟空に いてもらいました^^

ここまで読んで下さり、ありがとうございました!!
お題:友情「空は青い」

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