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いろいろお題
[遙か3]〜逆鱗の行方〜



「―― 待って! それを返してーーー!!!」

「危ない 神子!」
「…私が追おう」

その大騒動は「イベント:猫と神子」で 起きたのだった…


〜逆鱗の行方〜

                

(どうしよう…このままじゃ私…)
無事 地上に降り立った望美は 気が動転していた。

「望美…とりあえず お茶でも飲んで 落ち着いて…」
気を利かした朔が 心を落ち着かせる お茶を 煎じてくれた。

「朔 ありがとう…」
好意に甘え お茶をひと口。

「神子。リズヴァーンが帰ってきたよ」
「ホ・ホント、白龍!」
「うん。邸の前。もうすぐ」

白龍の言葉が終わる前に すっ飛んで行った。

               ☆

「…〜…」
「わっ!? リズ先生!!??」
「これは酷いね」

現場には 将臣ヒノエが すでにいた。

「リズ先生 帰ってきたって!?」
「ん? 姫君…んー…望美は 見ない方が いいかも」

ヒノエに目隠しされ、現場から遠ざけられた。

「ちょっ、ちょっと ヒノエくん!・・・・いいから会わせてー!」

ヒノエの手を振り切り、現場へ。

「わっ!?」
「望美、お前ジャマ」

将臣と譲に バッタリ会った。

「ジャマって 何よー!」
「先輩 すみません。ですが…」
「あっ! リ、リズ先生!!」

リズヴァーンは 将臣と譲に 担がれて 玄関から 部屋への移動中だった。

「そういうコト。ほら、道 開けろ」
「わ・分かった…」

廊下の端っこに移動し、道を譲ってから あとを ついて行った。

               ☆

弁慶の適切な処置で リズヴァーンの手当ては終わった。

「傷は多いですが どれも 大した事はありません」
「良かったぁ」×9

一同は ホッと ひと安心♪

「しかし先生に ここまでの手傷を 負わせるとは…」
「鎌倉も物騒になったよね〜」

九郎と景時は 怨霊の蔓延{はびこ}る 現状を 憂いた。

「い…いえ…それが…」
「…怨霊ではないのです」

冒頭で チラっと書いていたけれど、これは「イベント:猫と神子」中の出来事。

「敦盛殿。何が起こったのか、話してもらえますか?」
「ああ」

               ☆

               ☆

イベントは失敗の選択。
協力技はGET出来るけど、蜜月は満ちないのだ。

望美は 屋根に上り 三人で日向ぼっこを 満喫していた。

「気持ちいいですねー♪」
「神子。あわあわ。ジッとして」

望美は 猫のように 屋根の上を キョロキョロ。

「平気ですよ 敦盛さん。屋根から落ちるなんて ベタな事 しませんよー」
「だ・だが…あわわ>< そちらは滑るのだ」

先日の雨で 乾ききっていない場所が あるのだ。
ひょこひょこ ついて行き・・・

「――…きゃーーー!!!」

悲鳴と共に 望美が転がってきた!!

「神子!??」
間一髪 望美を掴まえ、落下は免れた。

「あ…ありがとうございます…敦盛さん」
「良かった…神子が無事で…」
「…ごめんなさい…敦盛さんの言う事を 聞いていれば…」
「いや…私も もっと強く 言うべき だったのだ」

失敗選択だけど、絆は深まっていった。

――…カアーカアー…

上空には 望美を襲った張本人(張本鳥?)

――…キラリ…――

口元には見慣れた光り輝く・・・

「あああーーー!?!?」
そう、白龍の逆鱗が 咥えられていたのだ!!

―― カアー♪カアー♪

烏は得意気に鳴き、逆鱗を咥えたまま遠くへ…


「待って! それを返してーーー!!!」


               ☆

               ☆

・・・以上、回想終了。

「烏は光る物を 巣に持ち帰る 習性がありますからね」
「あれが無いと私…何も出来ないよ…凹」

リズヴァーンは烏を追い、巣まで辿り着いた。
しかし団結した烏の襲撃に遭い、彼の持っていた逆鱗も 奪われてしまったのだ。

「あの烏には みんな 困っているんだよ」
「光る物以外にも 食べ物も奪っていくし ゴミも荒らすらしいわ」

鎌倉は 怨霊と烏の 二大トラブルに 巻き込まれていた。

「俺達は 鎌倉の危機を取り除く為に 来ているのだ」
「では 九郎」
「うむ。烏討伐に出発だ」

               ☆

望美達は 手分けして 烏の行方を追った。

朝夷奈・隠れ里稲荷・星月夜の井。

怪異が起きている場所が 怪しいと踏んだのだが・・・

「怪異は解決できたけど…」
「烏の手掛かりは発見できませんでしたね」

サクサクっと 呪詛は清められたけれど、逆鱗が無いと 望美の冒険は この時空で終了してしまうのだ。

「こうなったら…アレしかないね」
腕を組み、ヒノエはニヤリと 作戦を練り上げた。

               ☆

ヒノエの作戦。それは烏の習性を利用したものなのだ…が。

「「…本当に上手く いくんだろうな?」」
「「さあ?」」
「”さあ”って! アレが無いと俺は…!!」

無責任なヒノエに 譲は思わず立ち上がった。

「「まあまあ。譲くん 落ち着いて」」
「「見つかってしまいますわ」」

梶原兄妹に宥められ、身を屈めた。

「「…なんで俺の眼鏡なんだよ」」

キラキラと 光る、珍しいもの。
烏を誘き寄せるエサとして 譲の眼鏡が 捧げられたのだ!

「「でもさ、まったく見えないって ワケじゃなかっただろ?」」
「「そうだけど…戦場では弓を使うし…」」

敵を正確に射抜くには 眼鏡があると安心なのだ。

「「譲くんは遠くの敵が相手ですからね。正確さは大切です」」
目が悪くても、眼鏡を易々と 手に入れられない弁慶が同感した。

「「僕もたま〜に 間違って 味方に当ててしまいますが、許してくださいね♪」」
「アレが態とではないと!?」

弁慶は九郎の参謀みたいなもの。
戦場で近くにいる事が多いので”間違って当ててしまう相手”とは 九郎だったのだ!

「「九郎さん、しー!」」
「「む…すまん」」

望美に諌められ、身を屈めた。


――…カアー…カアー…


「「神子…あれを」」
敦盛に袖を引かれ、指差す方を見上げた。

「「わ! 着たねー」」

(あんな作戦が成功するのか…!?)
喜ぶ望美と 半信半疑だった譲は 腑に落ちない様子。

「「だから言っただろ♪」」

ポンポンっと 不満気な 譲の背中を叩いた。

――…パク♪

譲の眼鏡に食いついた!

「今だ!!!!」
「えーーい!!」

―― カアー!?

八葉にかかれば イタズラ烏なんて 取るに足らない相手。
あっという間に捕縛し、巣を突き止めた。

               ☆

烏は逆鱗の他にも町民の キラキラアイテムを 山ほど隠し持っていた。

―― カアー カアーTT

コレクションを奪われ、烏は物悲しく鳴いた。

「…そんな声で鳴かないでよ。ちゃんと持ち主に返してあげないと…」

―― カアー カアー!!

「えっ!??」
怒り出したかと思うと、烏は豹変した!?

「えええーーー!!!???」×11

烏は みるみる・・・









ヤタガラスへと変身したー!?





―― ギャシャアァァァ!!!





「怨霊だったのかーーー!!??」×11

               ☆

               ☆

               ☆

無事ヤタガラスを浄化し、騒動は円く収まったのでした♪




∽∽∽あとがき∽∽∽

”お題をやってみたい!”と 思ったお題です(笑)
書いてみると なかなか 上手く まとまらず凹 長く長く なってしまうのです!

最後の ヤタガラスは 話が長く長く なってしまったので カットに なりかけたのでした〜♪
ここまで読んで下さり、ありがとうございました!!

お題:遙か3「逆鱗の行方」

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