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噂をすれば告られる
一部【人間失格】より引用





「『神様みたいないい子でした』と、これで話は全部終わりです」


シトラスは目の前で目を閉じて静かに物語に耳を傾けていた、黒髪の色男、十六番隊隊長イゾウに笑いかけた。
イゾウは満足したように目を開けた。


「いい話だった。冒頭の始まり方はなかなかインパクトあるな」


関心したようにイゾウは感想を述べた。


「僕もですよ。いきなり『恥の多い生涯を送って来ました』って書いてあるんですから」

「それにしてもお前もよく一字一句覚えてるな」

「そうですか?自然と入ってくるんですよね」


照れたようにシトラスは頭をかいた。


「食い意地張ったただの似非紳士かと思ったけど見直した」

「僕、紳士のつもりないんですけど」

「そうか?ナースたちが毎日噂してるよ。あんたは白ひげ海賊団一のレディーファーストだってな」

「そうかな?」

「あぁ、それは俺も認める。ナースが食堂に来るとご丁寧にテーブルまで案内して椅子を引いてやって座らせるわ、重い荷物をもっているのを見ればすかさず何も言わず持ってやり、サッチに口説かれて困っているのを見ればさりげなく手を差し伸べてやったり。そのうちナースから夫婦になってくれってたのまれるかもな」

「茶かさないでくださいよ、イゾウ」

「ハハッそりゃ悪かった」


何にも意識せずただ気づいたからやっているだけだというのに、ここまで好評価を受けていたシトラスはどこか浮かばれない表情だった。
イゾウはそれに気づいたがあえて触れなかった。
そう話していると、目の前に豹柄が広がった。
ナースのニーハイだ。


「あ、あの、シトラスさん」

「え、ぼ、僕!?」

「噂をすれば、だな」


イゾウはニヤニヤ笑ってシトラスの頭を一撫でし立ち去ってしまった。


「えっと、何?」


シトラスは物陰から面白おかしくこちらの様子を伺っているイゾウを睨んだ。


「あ、私ナースをしている「ジュディさんでしょ?」


シトラスがナースの名前を呼ぶとナースは喜んだ。


「私と付き合ってください!!」


ジュディはそれだけ言うと逃げてしまった。


紳士は理想



(さて、部屋でゆっくりと語り合おう)
(語り合うって何を語り合うんですか!?イゾウ)
(おい、エース!面白いもん見れるからマルコやサッチを呼んでこい)
(マジか!?任せろ!!)
(イゾウ!!!)



このあとの話は後ほど



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あきゅろす。
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