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極卒

きっちり。その言葉がよく似合うその服は"軍服"…


「僕は今 気分が優れないんだ…後にしてくれないか?」
不機嫌そうに頬杖をつく彼の名は極卒。軍の上層部の人間である。
そんな彼が苛立ちを起こす原因は彼の兄にあった。


部屋に来た部下に戻るよう告げる。
顔は少し窶れている。寝不足だろう。



「…兄様が早く帰ってこないと…僕は…寂しくて死んでしまうよ…」

兄。
それは極卒の中で大きな存在だった。
自分よりも強く聡明な兄。
自分を見下したりせず、愛してくれた兄。
両親はとうの昔に死んだ。唯一の、家族である。

その兄がここ一週間姿を見せない。
いや、正しくは帰ってこないのだ。
交渉しに行ったと、言ってはいたが…多分交戦中のような予感がする。
どうも気に入らないことがあると手を出すのだ。それはこの兄弟共通のクセだが…

 
 

 
 


*前話次#
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あきゅろす。
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