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神と釈迦ミミ

 

 

 
オレは確かミミが熱出したって聞いたから様子見に来たんだ。
だが、今目の前に居るのは"ミミによく似た女の子"だ。
酷似しているがビミョーに違う。まず服から、な。それにミミは頭にアンテナなんか立ってねーよな…当たり前か。
 

 
考えを張り巡らせていたら目の前の少女が話しかけてきた。

「初めまして 神様
ここはどこだか分かる?」

 
 
…ここはね、夢の世界。
「ミミ」の夢の中。
彼女の願望と深層心理に埋もれた本当の野望が入り乱れた空間…
 

 
その少女の周りだけ別の空間のような、静寂を誘う凛とした声。

 
 
「オレはここから帰れるのか?」

「ええ、もちろん。
…でも、条件付きだよ。
 
 
この世界の流れを変えて。そうすれば"私たち"はこの世界から…出られる。
それまでは現実世界に帰れないの。帰させないの。それが"掟"」
 
「…ハァー…面倒だな…
…で?"鍵"は誰だ?
そいつをどうにかすればいいんだろ?
魔術師か?独裁者か?…まさかお前とか?」
最後のは冗談だったのだが…

 
 
 
 
「そうだよ」
 
目の前の少女はさも楽しそうに笑う。当ててもらっのが、嬉しいとでもいうかのように。

 
「ねぇ、神様、私の家に来ない?ヒントがあるかもよ?」

少女は神の手を引き歩き出す。
 
 
古ぼけた世界。先ほど居たのは小高い丘のようだ。見下ろしていた街が、段々近づいてくる。
街灯から民家、店や歩道まで全てがレトロな世界。
落ち着いた色に囲まれた自分。でも、この自分の格好が浮いていた。
 

 
 
 


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