ヴィルとモコたん
少しずつ
記憶が
亡くなっていく
ああ、最期に
君に
逢いたいよ
「…どしたの?」
意識が引き戻される。
自分はどうやら夢を見ていたらしい
目の前の愛しい彼に髪を梳かれる。
小さいこの手が、案外好きだ。温かみは、無いけれど。
「…ヴィルは最近無理しすぎなんだよ、
だって、あいつ…ミシェルが来るようになってから、ヴィル"風邪気味"だもん。
元々魔界に来ていい奴じゃない。そんな奴と長時間話し合いなんかしたら"流れ"を乱されちゃうのを分かって…それでも、やるの?」
心配をかけてる、また、悲しい顔をさせてる…
しょんぼり、と例えるのが近いだろうか。
「…全部、モコたんのためだ…
お前が"躯"と"名前"を取り戻すまで…
私は"扉"を壊すことを諦めてはならんのだ。」
ああ、私は昔のことを夢で見ていたのか
思い返される過去。もう遠い昔だけど、あの日は焼き付いて離れないんだ。
*前話次#
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