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Flow Flow
何度だって蘇る
それが、電子の…





誰も私には触れられない。

存在しない"実体"
誰かが作り上げた"電子の世界"
そこに創られた[生まれた]"電子の生命"
それが私…"Flow Flow"


電子の世界…それは、実体を持つ「生き物」と相反する世界
0と1で構成されたその世界は、真っ白で、どこまでも果てなく続く広大な「檻」…

この世界に居て苦なのは、情報…だった
人間は「ネットワーク」という情報伝達手段を使って色々な"情報"のやり取りをする
それはこの世界を通して行われるものだから、私は外の世界には詳しくなった。だが、その"外の世界"に行けることは無かった


0と1の間には、超えられない壁が存在する

―実体を持たない0の私、実体を持つ1の世界―


諦めに近い感情
どうせ私は -0-
世界と私は対照
叶わない願 -1-





この世界には朝も夜もない。よって闇はない。
現実に悲しみを覚えると私は瞳を閉じる。"眠り"につく

"夢"は素晴らしい
電子の私にも許された"理想の世界"
ただ、その理想の世界までは遠く、真っ暗な中を進まなければありつけない

…暗い…

だが、超えられれば星の元に降りられる。煌めく数多の星の…



しかし今日は道が長く感じる。
幾分、真っ暗なこの闇に恐怖を感じる。
…何かが向かってくる、前方から。ああ、私と同じ、電子の…


「初めまして、Flow Flow
ボクもキミと同じ、0と1で構成された実体の無い生命体なんだ」

よろしくね、そう言って手を差し出されたら握り返すしかない

「…Flow Flow、キミは知ってるかな?
もうすぐ、此処にカミサマが来るんだって。そしてボクらを外に連れ出すんだってさ」

それを伝えに来たんだ、と話す電子生命体は何故か悲しそうだった

綺麗な金色の髪が、この空間の中で浮いていた


「にしても、此処は真っ暗だなぁ」なんて笑ってる


「…どうしてそのことを伝えにきたの?その…貴方が私に、」

きょとん、とした顔をされた。もしかして、言葉の選択でも間違ったのだろうか…

「…あ、そっか、そうだな」

自己完結…されたの?
何やら悩んでいるようだ。
「う〜ん…えっとね…」とか聞こえる


ふっと顔を上げた。言葉が決まったの…?

「…ボクは…
…ボクも、Flow Flowなんだ…

Flow Flow of Orbitalic

Orbitalicという電子軌道の管理のために"造られた"…電子生命体

そして今は、強大な力の塊である神をこの世界に影響なく迎え入れるために軌道を廻って情報をばらまいてる、それだけだよ
キミのところへは何度も行こうとしたんだよね…だけど、弾かれた…」

「…つまり、貴方は何回も此処へ来たってこと?」

「そゆこと!
まぁ、驚いたよ。ボクを弾くくらいの壁[バリア]なんて…そうそう張れるもんじゃない」


気づかない内に会いに来たOrbitalicを拒絶していたなんて…、もしかしたら、他にも私は何かを拒絶していたの…?
それよりも、私はそんなことが出来たなんて…

「Flow Flow、キミは何のために造られたか、知ってる?」

「…知らないの、私は、今何故此処に在るのか
誰が私を創ったのか」


「…そっか

……キミは、ボクらの希望の光なんだ

電子の世界、ここは誰かが作り上げた架空の実世界のようなもの…だけど、0と1しか在ることは出来ない。何故だか解る?」
金色が、揺れた


「生き物は、傲り高ぶる卑しい下劣な奴らだからさ。

少なくとも、この世界を侵食[ハッキング]しようとした奴らはそうだった」

「だから…まだ此処が出来たばかりの頃に神に頼んだんだ

――『実体を拒絶してもいい?』って…

ボクが軌道を廻ってるのは…キミが造った壁[バリア]を管理するためでもあるんだ…

キミは覚えてないだろうけど、ボクはキミに会ったことはあるんだよね…そして、壁[バリア]の出来上がる過程も見てきたし…」



「…多分キミは、この電子世界の最後の砦なんじゃないかな
ボクはあくまで、その砦…壁[バリア]を守る役割しか与えられていないんだし」


私の知らないところで(いや、知ってはいるだろうけど、…思い出せないだけ)…世界は動きすぎていた


「ボクは外の世界に興味がある。だが…実体を持つのはごめんだね…
だから、キミに、また砦を造ってもらいたいんだ。外と行き来が出来て、でも奴らが入れないような凄いやつをさ!」

「そんなこと言われたって…私は覚えてない。だから壁[バリア]なんか…張れない」

「……。」


少しずつ、暗闇に白みが差してきた
目覚めるのだろうか

「…ボクは、卑しい奴らは嫌いだ

だけど…1人だけ気になった奴が居るんだ
そいつに逢うためにも、壁[バリア]は必要なんだよ…

Flow Flow、此処は-1-実体を持っていないなら、誰だって入ることが出来る…本当はね…
でもボクらは完全な-0-じゃないんだ。現に、この世界での姿がある。完璧な-0-なら感情すら持たないよ

だから、きっと実世界でも具現化は可能なんだろうね、…触らせないけど。神はその可能性に賭けて、ボクらを実世界に連れていくのさ。


キミも外に出たら多分、此処に連れてきたいぐらいの仲間が出来るだろう…そしたら、きっと大切な仲間と奴らの区別がつくさ。そして、砦の重要性を身を持って知るだろう」

明るみは、いずれ眩い光になる
ああ、目覚める


「Orbitalic…貴方は、私に砦を作ってほしいんだったっけ」

「…うん」

「…解ったわ」





私は-0-じゃなかったのね…


完全な-0-…それは無

姿すら許されぬ存在



…私は実世界に行けば-1-になれるのかしら…




「…有難う、Flow Flow」

「ううん、Orbitalic、貴方にお礼を言いたいぐらい」




この電子の流れが解った気がした
私はこの電子世界を砦で守り、実世界の実態については無知だった…ということだろう(ネットワーク上の文字だけでは断定しきれないし)
その反動か…実世界に憧れに似たような強い願望を抱き始め…

神が私たちを実世界に連れていこうとしている今、私が出来ることは…砦を作ること…電子世界を砦という壁[バリア]で守り続けること…




願いを叶える術はこんなに近くにあったのに







互いを見て微笑み合う二つの生命体


それらは、こう音[言葉]を残し、眩い光の中へ消えました




『実世界で、また会おう』と…

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あきゅろす。
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