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壱ノ妙
かつて
美しき人がいたのだ
彼女は想い人がいたのだ

やがて
戦争
彼女は悲しむ
それは鯉のぼりの昇る よく晴れた青い空の下で

行ってしまった彼
しかし 彼女は身ごもっていた
彼との 子供


戦争は終わる
帰ってこない貴方

鯉のぼりが泳ぐ空の下

彼女は子供を産む


悲しみで涙は枯れた
今はこの子がいる


戦争が終わってから

彼女の住む村

その村 子供を生贄に 捧げる

七歳になるまで子供は神の子なのだ
だから 天に返せば 神はお怒りにならぬ

ああ なんという


その事実を知った彼女
次に狙われしは我が子也
狐が叫ぶ
「お前が望んだ幸せ
ひとつも ひとつも 叶わぬ!」


山奥に逃げた彼女
追われないように 気づかれないように

幸せをやっと噛み締めた

月日は流れた

この晩をこせばこの子は七つ

狙われしは七つに満たぬ子供たち

ああ、早く明日が来ればいいのに!



しかし

御狐様は追いかけてきた
忘れるものかというように

彼女とかわいいこの 暮らす 幸せな 家庭


もういいかい
まあだだよ
もういいかい
もういいよ



それは一瞬だった


愛しき我が子は 二つ に なっていたのだ


転がりゆく、首


「ああ この子が大きくなればあなたと 過ごした日々が また」



瞳は 澄んだ 硝子のように



あ!

この子 よく見たら






お人形





御狐様が嘲笑う



空を泳ぐ鯉のぼりだけは知っていた







山を境にした別の村の男 一人
山奥に佇む ちぃさな 小屋を見つける

中に


顔が後ろを向く 女
首の 無い お人形







可哀想に思った彼は
彼女によく似た
お人形を作りました



愛しき人が現れても
すぐ見れるように
体の 至る所が回る


カタカタと 動く 雨人形を


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