[携帯モード] [URL送信]
10




自称天才桜木花道の気分は最高潮だった


今日は4月1日、桜木の誕生日だからだ


さすがの桜木でも自分の誕生日を忘れることはない



そのうえ、誕生日に晴子と会えるのだ(部活があるから)



もしかしたら晴子さんに祝ってもらえる、


そんな期待を抱いていた
















しかし、








晴子に祝ってもらうどころか、宮城をはじめとする部員にも祝ってもらえずに、今日の部活は終わってしまった


祝ってもらえる以前に、彼らが桜木の誕生日を知っているのかも怪しいところだ



最高潮だった気分も転落し、その大きな背中は小さく見えるのであった




「花道ー!」


部室の外から聞こえたのは宮城の声

しぶしぶ声のする方ヘ行き、ドアを開けた




パンパンッ



「「「誕生日、おめでとー」」」




それは思いがけないものだった

目の前には桜木の誕生日を知らないであろう部員達

その彼らがクラッカー片手に祝いの言葉をくれたからだ



「何、花道固まってんだよ」

「柄にもなく感動してるんじゃないのか」

「メ、メガネ君」


よく見ればメガネ君の隣に前キャプテンも立っていた



「俺の誕生日…」

「おまえ以外に誰がいんだよ」

「だってリョーちん!
今日は何の日って聞いたらエイプリルフールって」

「嘘に決まってんだろ
サプライズで祝おうって晴子ちゃんが」

「なに?!は、晴子さんが?」

「誕生日おめでとう、桜木くん」

「は、晴子さん…」

「折角の誕生日だし、お兄ちゃん達も呼んじゃった」



そして彩子が、綺麗に包装されたプレゼントらしきものを桜木に渡した



「これ、アタシと晴子ちゃんとで選んだのよ」

「彩子さん…」





ふと何かを思い出したかのように、石井は周りを見渡して晴子に尋ねた


「晴子ちゃん、三井さんは呼ばなかったのか?」

「三井さんはね、「三井サンならそろそろ来る頃だぜ」


不敵な笑みを浮かべたリョータが指で体育館のドアを示し、そこにいた彼らはみんなドアの方を見た


ガラッ!



「おいっ!安西先生がバスケ部のコーチを辞めるって本当かよ?!」


慌てて入ってきたのは、なんとか大学の推薦がもらえた三井だった


「三井サン、騙されてやんの」

「たわけが」



事態が飲み込めていない三井をよそに、笑い出す部員達


「なに笑ってんだよ!笑い事じゃねーだろっ」

「三井サン、今日何の日だかわかってるんすか?」











「今日って…桜木の誕生日だろ
おぅ桜木、おめでとう」








みんなの笑いが止まり、一斉に目が点になったのは言うまでもない





0402/004


_


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!