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Andante
話し合い2



「なんかサッカー部も出し物するんだって!
高校生VS中学+コーチ陣のゲーム!」


その日、部活から帰ってくると俺は開口一番に慧に向かった。

文化祭は三日間行われて、1日目は中等部の発表、2日目は高等部で最終日は両方の一般公開が行われる。
サッカー部の発表は一般公開の日だけだけど、結構楽しみにしている。


「あ〜……去年は高校生コーチ対中学生コーチだけで勝手に盛り上がって部員以外置いてけぼりだったからなあ……。
やっぱり生徒も出なきゃ周りには受けないよな」

「えー?コーチ対コーチつまらないかな?」

「そりゃ知ってる奴が出ないのはな、文化祭だぞ?
知らない奴がサッカーやってるの見て喜ぶのはサッカー好きだけだ」


呆れたように言う慧。
ごもっともです。



「……それにしても喫茶店の格好、何とかなんないのかな……」


嫌なことを思い出してしまい思わずうなだれる。


「文化祭のときはスカートのやつなんて溢れかえってるし、あんま思い詰めるなよ」


気楽なことを言ってくれる慧は男物の衣装だ。
俺は結局ミニの浴衣になった。
まだショートパンツの方がマシだったけどカウガールの露出にたじろいでいる内にいつの間にかこっちにされた。まあいいけど。


「……そうだよな。森山もスカート履くみたいだし、頑張るしかないか〜!」


明日にはもう衣装合わせなのだ。
来週は文化祭本番。
色々と忙しい。


「ね、俺慧の衣装着てみたい」

「いいけどお前のは着ないからな」


提案するより先に釘を刺された。少しだけ残念。


「それより錬、今月末の日曜空けとけよ」

「え?部活あるけど?」

「……一日くらい干したって」

「そんな事言って慧結構サボり魔じゃんか。俺まで癖になったらどうするんだよ」


小言を漏らす俺に慧は気まずそうに頬を掻き、とにかく空けとけよとだけ言い残して自室に逃げ込んでしまった。

……何事?


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