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しなしな



いやいやいやいや




足が魚とかありえないもんね




きっと噴水に落ちた時に頭でも打ったんだね…





「…か…」




うん…?




「だい…で…か…」




私に話しかけるのは誰…?



『う…』



「ああ!よかった!大丈夫ですか!?」



ゆっくり目を開くと、そこには綺麗な女の子がいた



あれ…?この子ビキニきてる…?いやいやビキニっていうか…貝殻つけてる…?まだ夏じゃないけど…



『あ…演劇部の方ですか』



「はい?」



なるほど!
それなら貝殻ビキニの謎も解ける!



ちゃんとお断りしないと…



『まだ春先なのに、そんな格好までしてもらって申し訳ないんですが…私帰宅部の予定なので勧誘はお断りしますね…』



「え?あの…何の事ですか…?」



…あれ?



上手く断れたと思ったんだけど…



もしかして違う…?



『…』



「…」




不穏な空気が私達の間に流れる…



きっ気まずい



何か話さないと…



と、私が思っていると女の子も同じ考えだったらしく私より先に口を開いた



「ええっと…そういえば不思議な形の服を召されてますねっ」



え?



えっとえっと



あれれ?








何かおかしいなっ



私が着てるのがワンピースで、彼女がつけてるのはどこからどうみても貝殻なんだけど…



なんだか、会話にも違和感を感じる…噛み合ってないような…



私は不安な気持ちになりながら、改めて彼女を上から下まで見つめた



…ん?



下から上へ視線を戻す



そしてまた下を見た



『…』



「…あ、あのう…」



『…』



「私の尾がどうかしましたか?」



…落ち着け、私



『…ええっと〜…しっ、質問良いですか…』



「はい!私で答えられる事なら」



『…その足は作り物…ですよね?』



私は精一杯の笑顔で質問した



彼女はきょとんとした顔をした後、おかしそうに笑っていった



「…うふふっ!貴女ご冗談が上手いですねっ」



『え?』



彼女は私の足を指差した



「足ではなくて、貴女と同じ尾ですよ」



見たくなかった



でも現実は甘くない



私は自分の足を見た




本日二度目




やっぱり足は魚の尾になっていました




『具合悪い…』



助けて父さん…





しなしな



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