死体 「桜の下にはね、死体が埋まっているの」 「何を当たり前の事を言っているんだ君は」 「桜はね死体の血を吸って綺麗なピンク色を保っているのよ」 「そんな事誰でも知ってる」 「無様よね。どこの誰かも分からない人間の血を吸った吸血鬼を毎年人間達は綺麗綺麗って見に来るのよ。死体の上でお花見なんて粋な話しよね」 「ふん…吸血木って訳ね…バカらしい」 「あら、上手いこというのね。素敵だわ」 「別にそんなつもりじゃ…」 「ねえ」 「なんだよ」 「上手いこと言ったついでにあたし達も桜にならない??」 「は?」 「血を吸われるのって快感らしいわよ」 「…」 「ねぇ、いいと思わない?気持ち良くなってその上毎年綺麗綺麗って言われて無様な人間達を上から見下ろせるのよ?」 「は…そいつは最高だ…」 「ふふ、貴方とずっと一緒だなんて嬉しいわ」 「君とずっと一緒だなんて吐き気がするよ」 ねえ知ってる? 桜の木の下にはね二人の恋人が埋まっているんだって ∴ [*前へ][次へ#] |