さよなら、平和な日常(刹那)


さよなら
さよなら
さよなら


私は走った。
平和だった日常に逃げて来た。
押し付けられる思い。
「期待している」と言われてその分気持ちは重くなる。


さよなら
さよなら
さよなら


平和な日常。
けど、どこか違った。


私はマンションに入って、預けられた鍵を指す。


今、貴方に会いたい。
――…刹那。


インターホンを鳴らすが本人は出てこない。


『こんなに平和なのに、お前の家は、歪んでいるんだな』


歪んでいる。


『独りになりたかったら、俺の家にでも来い』


「刹那…」
「呼んだか?」
「わあっ!?」
「どうした、こんな夜に」
「せ、刹那こそ」
「私用であちこち行っていたら帰るのがこの時間になった。入るか?」
「あ、あのね、刹那」


私は刹那のターバンを引っ張った。


「私、あの家に帰りたくない!ううん、この平和な国から出たい!」


しばらく沈黙が続いた。


「そうしたら、戦争のあるところに行くことになるんだぞ?」
「…いいわ。だって、戦争を知らないまま平和な国にいるのは嫌」
「戦争根絶にはどう思う」
「ソレスタルビーイング?」
「ああ」
「私は賛成だけど?」
「なら」


刹那は私を家に入らせた。


「刹那?」
「お前をソレスタルビーイングの一員として迎える」


………え?


私は何がなんなのか一瞬わからなかった。


「平和なのに不平等。平和なのに人を傷つけ合う。平和なのに歪んでしまう。俺はその全てを断ち切るためにいる」
「全て…?」
「ああ、世界の歪みを破壊するために、俺は、ガンダムに乗っている」


ガンダム
彼が乗っていた?
そして私はその組織に参加できる?


「家に」
「帰らなくていい」
「刹那はこれからも世界の歪みを破壊するのね?」
「…ああ」
「だったら、私も行く。いいえ、行かせて!」



さよなら、平和な日常



あきゅろす。
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