傍に居たい、なんて私の我儘
「しーしーどー、かまってー」
「あー?今忙しいんだ。後でな」
亮が夢中になっているのはゲーム機。
PSPだ。
(まったく、庶民のくせに金あるじゃん)
ソフトも巷で大人気のモンスターを狩るゲーム。
凉も一回試してみたが、操作もモンスターもわからず、諦めた。
「うおっ!岳人!てめ、俺に攻撃すんなって!」
「わりぃわりぃ!目標が定まらなくてよー!」
(…彼女を差し置いてゲームですか)
「まだまだやんなぁ、二人とも」
「ゆーし!お前はやりこみ過ぎてんだよ!」
「絶対授業中とかやってるだろ」
「そりゃ2倍のスリルで楽しいわぁ」
「中毒でしょ、それは」
「凉、意外ときついんやね」
「きつくない、きつくない」
「お!クエストクリアー!!」
(ああ、テニスならまだ我慢出来るのに)
凉は亮の後ろに回って、そのまま抱き締めた。
「おおっ!?な…凉!?」
「ヒューヒュー」
「暑いわぁ二人とも」
「だぁっ!!離れろ凉!!」
「かまってくれないんだったら、ちょっかい出すまで!!我慢しろ!」
傍に居たい、なんて私の我儘
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