昨日よりも愛しい君に溢れんばかりの笑顔を捧ぐ


「りょおー!」


宍戸亮は声を聞いた途端、ピクッと止まった。そして一瞬考え、再び先ほどより早く足を進めた。


「あ!ちょっと!ああっ置いてかないでぇ!!」


それでも呼びかけられている本人は止まらない。いや、止まりたくないようにも見えた。

学校の正門が見えた。


「追い付いたっ」


亮の腕を掴んだのは亮の彼女の凉。息を調えながら、にっこり笑っていた。
亮はというと、嫌そうな顔をして凉を見た。


「…屋上で、な」


亮はぽんっと凉の頭を叩いた。


「え、今」
「ダメだ!!まったく、お前のおかげで部内でも熱々とかバカップルとか言われているんだぞ!?」
「いいじゃん!」
「よくねぇっ!!」
「てか、ここでケンカしている時点でまたバカップルがって言われるんだよ!?」
「う…っ」
「それに!!亮はモテるもん!!」
「……………は?」


亮は鞄を落としそうになった。


「だから、女の子避け!!」
「………」


ぽかーんと亮は呆けていた。


「わかった?」
「…つまり、俺はお前ので、お前は俺のってのを知らしめるってことか」
「そうっ」


亮はため息をついた。
凉は笑っている。


「亮が好きだよ!」




昨日よりも愛しい君に溢れんばかりの笑顔を捧ぐ



title…揺らぎ


あきゅろす。
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