色褪せるどころか、
「好きだ」
と言ったあの日から、もう三年の月日が流れていた。変わらず君は俺の横に居てくれた。
ぴんぽん、とインターフォンが鳴る。家には自分しかいないので、仕方なく出る。
「亮っ!クッキー作ったのっ」
最近凉はお菓子を作ったりと、一人の時間を有意義に使っているようだった。
「サンキュー。…お前、オーブン壊したりしてないだろうな?」
意地悪そうに俺が聞くと、
「失礼なっ!余熱は失敗したけど、壊してなんかないんだから!」
と反論してくる。
「どーだか」
「む。じゃあ亮には付き合って三年目記念のプレゼントあげない!」
「だったら、俺もやらねぇ」
「え!?あるの!?」
「当たり前だ。けど、さっきので返品しねぇとなぁ」
「うっ」
俺はふっと笑った。
「わりぃ。凉のプレゼント、期待してっからよ?」
「そのわりぃ、はどれを謝っているのよ」
「全部」
すると凉はため息をついた。
「……プレゼント、落ち込まないでよ」
「俺のもな」
色褪せるどころか、
end.
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