笑顔を届けに来ました
「…はぁ、」
亮は大きなため息をついた。
期末試験が近づいてきて、苦手な幾何学と英語が初日に入って来たからだ。
「しっしどー！」
元マネージャーの凉がやって来た。
とりわけ凉は亮が気になるらしく。よく部活でも突っかかって来る。
「なんだよ」
「えー、宍戸が初日の教科に落胆しているかと思いましてー」
「おー」
凉の予想は的中だったが、亮は適当に返事を返す。
「笑顔を届けに来ましたっ！」
「……………は？」
亮は開いた口を閉じることを忘れたかのようにぽかんと凉を見た。
「しょげてないで、早く勉強の対策しようよ！」
凉の屈託ない笑顔を見て、亮は肩の力も抜け、自分が落胆していたのがおかしいと思った。
「はは！そうだな！まだ一週間あるんだもんな!!」
「そうそう！その調子！」
笑顔を届けに来ました
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