気まぐれと秋の夜空


秋の夜は少しずつ冬の夜へと近づいていく。


「うわあああぁぁ!!亮助けてー!!」
「誰が助けるか!自業自得だろ!?」
「わかってるよ!でも先生はそんなのお構い無く宿題出すんだよ!?」
「一つや二つで泣き言言うなよ」


帰宅中、亮はいつもの時間に帰っていた。すると、少し泣き顔の幼なじみを見つけ、前文にあったように泣きつかれたのだった。


「自業自得なのはわかってる!!でもあたし要領悪すぎるから!」
「はいはい。お前、言い訳は良くないぞー」
「………うー」
「うーでもなんでもねぇって」
「だって!だってさ!」


凉は亮の腕を掴んだ。


「寒いんだもん!!」
「理由になってねぇよ!!てか離せ!!」
「やだね」
「おまっ…まぁ、頑張れよ」
「うん。手繋いでいいですか?」
「なんでだよ」
「寒いんだよ、馬鹿」
「馬鹿って、ひでぇなぁ」


凉は亮の手を握った。


「そうですよー。あたしはひどい人ですよー」
「っていうか、凉冷てぇ!!」
「だから寒いって言ってるじゃない!!」
「おお俺の体温がお前に吸い取られるぜ…!」
「そのおかげであたしはあったかいのよー」




気まぐれと秋の夜空。
(お前、部活で泣きついてたんだよな)(うん。でも亮と話したらすっきりした)(…そうかよ)



end.


あきゅろす。
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