ちょっとした変化

休み時間

「宍戸、宍戸」
「あ?」
「このすうぇっと?パーカーよくない?あ、ロングパーカーもいいな」

凉が指指すのはファッション雑誌の1ページ。

そう、ファッション雑誌の…


「…おい」
「はい?」
「頭、打ったか?」
「別に、何も?」
「…ファッション雑誌とか、普段買わねぇだろ」
「そうだねぇ。あ、このワンピースもいいな」


凉はページをめくって行く。


「なんの風の吹き回しだ」
「親にそろそろ服に興味持てって」
「…そうか」
「うん」


無言。


「宍戸ー」
「なんだよ」
「…次の週末練習オフ?」
「まぁ、そうだな」
「んじゃ、どっか行こうよ」


凉の視線は変わらず雑誌に向けられている。


「服か?」
「ううん。服はその前に買うつもり」
「そっか。……ん?」
「ん?」


凉と亮の目が合う。
同時にチャイムも鳴る。


「やべっ、片付けなきゃ」


凉はぱたっと雑誌を閉じて、机の中に入れる。
亮は、何故か赤面になっている。


「宍戸?」
「…いや、なんでも」
「熱でもあるの?」


教科担任が入って来た。


(…週末、柄にもなく緊張する…かも)



ちょっとした変化
(宍戸はどんな服がいいと思う?)(どんなって言われてもよ…)



end.


あきゅろす。
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