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side.スメラギ

作りたての、一番美味しいものを食べて貰いたいから。

そう言った鈴が持ち込んだ材料を抱えキッチンに入って行ったのは、数十分前。漂い出した甘い香りを辿り、翡翠は無駄に広い寮室のキッチンを窺った。


「もうちょっとで出来るから、待っててね〜」
「…あぁ」


パタパタと足音がしたかと思うと、蜂蜜色の甘そうな髪を揺らして鈴が開いたドアから顔を出す。

特有の甘い香りが鼻孔を擽り、翡翠は微かに目を細めた。


「そういえば、何を作っているのかを訊くのを忘れていたな。何を作っているんだ?」
「今焼いてるのはザッハトルテだよ〜」
「そうか、それは楽しみだな」


…今鈴は少し離れた場所にいるから、その髪を撫でてやる事は出来ないけれど。

技術的にも心理的にも、鈴が作ったものは何でも美味しいと思っている翡翠は、髪を撫でる代わりに甘く微笑んだ。


「…もうちょっとでザッハトルテは焼けるから、みんなの分のフォンダンショコラも作っちゃわなきゃなぁ〜」


シルバーを磨く鈴が漏らした言葉に、翡翠は微かに眉を寄せる。


「この後に皆に配る分も作るつもりなのか?」
「え、うん。材料混ざっちゃったらアレだから、終わったら作ろうかと…」
「止めておけ」
「え?」


落ち着いているとはいえ、珍しく強い口調で放たれた言葉に鈴はきょとんと目を見張る。

キッチンの入り口に立っている鈴の側に歩み寄り、チョコレートをくっつけた頬に指を滑らせる。


「…今日ぐらいは、俺にお前を独り占めにさせてくれ」


皆の分は明日でも良いだろう?、なんていつもは甘えさせてくれる立場の彼の、甘えるような言葉。

そんな彼が堪らなく愛しくなってしまい、鈴は思わずその胸にしがみついた。


けれどいつだって、僕の特別は貴方!










相変わらず、鈴の料理はプロ級ですw ザッハトルテ食べたい!
…最初はフォンダンショコラを作らせようかとか思ってたのにザッハトルテになったのは、間違いなく某お国擬人漫画のせい(爆) 墺さんのトルテ食べたいよ!ww

まぁ結局捨てがたくて、どっちの名前も出てますがw 鈴のお菓子美味しそうだーv

そして翡翠が甘える、という珍しい図(笑) まぁたまにはいいんじゃないか、こういうのもw



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あきゅろす。
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