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ひたい(利也×明良)

「明良〜」


一つ一つのパーツから整ったその顔を綻ばせ、利也が明良を手招く。

休日、利也の部屋。彼の養親である祖父母は町内会の慰安旅行で不在、彼らは現在二人きりである。

にっこりと微笑むその美貌に見惚れながら、明良はとてとてと彼の側に歩み寄る。


「何〜?」
「んー」


側に寄ってきた明良を捕まえ、膝の上に乗せる。


「わっ?」


元々結構な身長差があるから膝の上に乗せられると、視線がちょうど良い塩梅になる。

大好きな容貌がすぐ近くになり、明良はふわりと頬を赤らめて彼を見つめ返す。


「えーこ、えーこ」
「ふぇっ、ぁ?」


にっこりと無邪気に笑ったかと思えば、明良の栗色の猫っ毛を撫で回し始めた。

ぐりぐりと髪を掻き回す手のひらに、明良は目をぱちくりさせて彼を見返す。


「えっ、え、いきなりどうしたのっ?」
「んー、明良はかわええなぁ、思て」
「ふにゃっ!?」


撫でるだけでは飽きたらず、頬を擦り寄せてきた利也に、明良はますます狼狽して妙な声をあげてしまう。

仔猫仔猫と呼ばれ続けた刷り込みだろうか、時折無意識に猫のような奇声が零れてしまう。利也と出逢う前は、そんな事はなかったと思うのだが。

…唯人辺りに訊いたら「そうでしたか?」なんて笑顔で言われてしまいそうなので、思うだけに止める。

なんて逸れた事を考えている間にも、利也は明良を撫でくり回している。


「あっ、あの…利也…」
「可愛い、明良」
「………ぅ」


甘ったるい囁きに、その声に弱い明良は言葉を無くして真っ赤になる。

頭を撫で回していた手は、いつしか妖しげな動きで頬を撫でていて、がらりと変わる空気にまた体温が上がった。


「……可愛い」
「ぁ…」


獰猛さを秘めた鳶色の瞳を細めて、緋い唇が弓張り月に歪む。

くしゃりと額にかかった栗色の猫毛を掻き上げ、ちゅ、と露わになった其処に蕩けそうな口付け。


「っ…」
「可愛いなぁ」


クスッと低く笑う顔に見惚れ、息を呑む。

瞳を細める様は、獲物を喰らう猛禽類のそれとよく似ていた。



ひたいにキス















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三周年企画、ラストは利也×明良! 思いっきり仔猫を愛でる利也……あ、つまり通常運転ですね(笑)

頭を撫でたり頬擦りしたり、仔猫にデレデレな総長を想像すると、若干気持ち悪いのはわたしだけでしょうか ← いや、わたしが書いたんだけどさ!(笑)
うん、利也気持ち悪い(爆)


10/12/31

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あきゅろす。
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