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雅弥「王子様、シンデレラ、おめでとう!」
椿「おめでとう」
唯人「おめでとうございます」
鈴「おめでと〜、…おりょ?」
みんなが祝福の言葉を贈っていると、家の前にまたもう一台の馬車が止まりました。
継母たちが顔を見合わせる中、馬車から降りてきたのは隣国の王子様です。
鈴「翡翠さん!」
翡翠「鈴? 何だ、此処は鈴の家だったか…」
その姿にぴょんと飛び付いた継姉Aを受け止め、隣国の王子様は家の中を見渡します。
翡翠「孝雪を探して来たんだが…、大人数だな」
鈴「近々家族が増えるようなのでー」
翡翠「…そうか。…けれど、俺はお前を連れて行きたいと思っているのだが?」
鈴「ふぇ?」
おっと、王子様に続き、プロポーズ第二段! …いや、一番最初にプロポーズしとったんは実は狼やから、これは第三段か?
ホンマ、フラグ回収が忙しい話やな!(笑)
唯人「…どうしましょうか、龍治。私、『娘さんを僕に下さい!』と頭を下げて来る御方にしか、娘たちはやらないと決めているのですが」
龍治「…ちなみにいつ決めたんだ?」
唯人「勿論今です」
ニッコリと微笑んで言い切った継母。勿論、その台詞は家にいた全ての者に聞こえているでしょう。
…ううん、黒い。
王子様と隣国の王子様の顔が微妙に引きつる中、一番最初に動いたのは、
雅弥「…じゃあ、やってみようか。『お義母さん、娘さんを僕に下さい!』」
お城の使者でした。なんつーか、オイシいトコ攫ってくの上手いなぁ。
継姉Bは隣で目を丸くしていますが、継母は魔法使いと顔を見合わせ笑っています。
唯人「…どうしましょう龍治、ちょっと楽しくなってきました」
いや、最初から楽しんどるよな?
龍治「…とりあえず、『お義母さんと呼ばれる筋合いはない』とでも言ってみたらどうだ?」
いや、ややこしゅうなる! それやったらややこしゅうなるから!!
翡翠「…では、『お義母さん、娘さんを僕に下さい』」
孝雪「仕方ないねぇ……、『娘さんを、僕に下さい』」
潔く頭を下げたお城の使者に触発されたか、王子様たちも次々と頭を下げました。
…アレェ、なんやこの絵面。この話ってシンデレラやよな?
御門「……それは、今更だ」
鈴「わー、孝雪先輩が頭下げる画とか、貴重ー…」
椿「土下座しろとは言われてなくてよかった…のかな」
そんな構図に、それぞれ乾いた声で呟く娘たち。
娘たちのそんな呟きに、継母も肩をすくめ王子様たちに向き直って言いました。
唯人「…まぁ、娘たちに免じて許可しましょう。キチンとこの子たちを倖せにしてやって下さいね?」
翡翠「…当然だ」
雅弥「勿論」
孝雪「当たり前でしょう?」
継母…、お義母様から許可を頂いた婿たちは、それぞれの姫君たちの手を取ります。
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