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御門「…え…と、…それ、は…」
視線を斜めに逸らし、シンデレラは言い淀みます。
王子様が嫌い? いいえ、舞踏会でいきなりキスをされ、驚いて思わず平手打ちをかましてしまいましたが、けれど本当は嫌ではなかったのです。
椿「…本当に御門くんが嫌なんだったら、誰も無理矢理お嫁に行かせたりなんかしないよ?」
唯人「そうですよ。大切な娘を任せるんです、キチンと倖せにしてくれる方でなければ」
鈴「泣かすような人ならふるぼっこだからね!」
御門「みんな…」
家族たちの優しい、一部は過激な言葉に、シンデレラの意固地な心も揺らぎます。
御門「…俺、ガラスの靴、履くわ」
お城の使者からガラスの靴を受け取り、持っていたもう片方の靴と揃って足を収めます。
…シンデレラの両足にぴったりと嵌る、ガラスの靴。
雅弥「文句無し、貴方が王子様の捜し人ですね」
御門「……」
にこりと笑うお城の使者に、シンデレラは少し居心地悪そうに、けれど頬はほんのりと染めならが俯きます。
孝雪「見つかったかい?」
御門「〜〜〜〜!!?」
いきなり玄関のドアが開き、現れたのは王子様。計っていたとしか思えないタイミングに、シンデレラは驚きのあまり声も出ません。
ただ口をパクパクさせるしかないシンデレラに、カツカツと靴音を立て王子様は近付きます。
孝雪「…僕と、結婚して頂けますか? 姫君」
御門「!! っ、ぅあ…?」
ガラスの靴を履いたシンデレラの足元に跪き、その手の甲に優雅に口付けを落として。
憎たらしい程様になるプロポーズに、シンデレラは顔を真っ赤にして言葉にならない言葉を漏らすしか出来ません。
雅弥「ヒュー」
鈴「ひゅー」
その様子を見ていた使者や継姉が囃し立てるように言いますが、今のシンデレラにはそれに気付く余裕すらありません。
孝雪「…ねぇ、返事は?」
御門「…ぁ、ぅ…」
にっこりと王子様に微笑みかけられ、シンデレラは顔を真っ赤にして俯いてしまいます。
クスリと、王子様の笑い声。
孝雪「ほーんと、可愛いなぁ」
御門「…っ…」
孝雪「…ほら、早く返事をちょうだい。YesかNoかの二択だ、簡単でしょう?」
王子様に急かされ、顔を真っ赤に、目の縁にはうっすらと涙を浮かべた顔を上げます。
嬉しいのか恥ずかしいのか、けれど言葉にするには胸がいっぱいで、辛うじてこくりと首を縦に降りました。
御門「…わか…た」
孝雪「うん、ありがとう」
くす、と笑った王子様が跪いた体勢から立ち上がり、シンデレラを抱き締めました。
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