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椿「蹴破っちゃ…駄目だよね?」
唯人「いえ、後できちんと修理して下さるのなら、構いませんよ?」
龍治「唯人が望むなら、俺が直してやる」
唯人「…そうですか、なら大丈夫ですね」
と思ったら、あっさり継母から許可が下ってしまいました。
御門「ちょっ、大丈夫じゃねぇぇ!!」
思わず部屋の中からシンデレラが叫びますが、既に部屋の外は実行モードです。
雅弥「あ、じゃあ遠慮なくいかせてもらいますね」
御門「待て! 待て待て待てぇぇ!!」
本気で自室のドアを蹴破られそうになったシンデレラは、叫びながら内側から鍵を開けてそれを阻止します。
ドアの前には無表情のままでもどこかほっとしたような継姉Bと、肩をすくめるお城の使者。
椿「あ、良かった出てきた」
御門「あっ…」
雅弥「…何だ、出て来ちゃったのか。ツマンネ」
御門「お前までキャラが崩壊するような発言をするなぁぁ!!」
シンデレラの魂のツッコミは、この状況で言うべき事なんか否か。
御門「…もう駄目だ、この劇。登場人物がことごとくキャラ崩壊してる…!」
だから今更やってば(笑)
雅弥「ハイハイ凹んでるトコ申し訳ありませんが、ガラスの靴を履いてみて下さーい」
御門「申し訳ないなんて、欠片も思ってないよな?」
別次元で凹み始めたシンデレラに、容赦なく言い切ったお城の使者に、がっくりと脱力したシンデレラは言います。
…対して、お城の使者は輝かしいまでの笑顔。
雅弥「俺もさっさとお仕事を終わらせたい訳ですよ。ほら、この後にやりたい事も出来ちゃった訳だし、ね?」
椿「…?」
ね?、で顔を向けられ、緩く首を傾げる継姉B。
二人の雰囲気に、シンデレラは思いきり顔をしかめて階下を振り向きます。
御門「…何、この二人?」
鈴「とりあえず、これで現時点の本編で立っている、全てのフラグが回収出来ましたー」
とにかく詰め込まなアカンかったから、やむなくこんなページ数になってしもうたわー。
御門「…あぁ、そう」
呆れたように、気の無い返事を返すシンデレラ。
…さてさて、閑話休題。
雅弥「じゃあ、このガラスの靴を履いてみて下さい」
御門「…や、俺はいいよ…。遠慮しとく、うん」
雅弥「そういう訳にはいかないよ、これも一応お仕事だからさ」
表情を引きつらせるシンデレラでしたが、お城の使者も譲りません。
さあさあ、とガラスの靴を差し出されます。
御門「いや、俺は……だって、」
椿「…御門くんは、孝雪…王子様の事が嫌いなの?」
御門「…え…」
あくまで首を横に振るシンデレラに、ぱちぱちと瞬きした継姉Bが訊きます。
思わず、表情を固まらせるシンデレラ。
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