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孝雪「…何だかみんな凄く楽しそうだね? 僕も仲間に入れてくれないかな?」

御門「ぎゃぁぁっ!! 出たぁぁぁぁっ!!」


何故かシンデレラの背後から、満を持して王子様が登場です。

そしてシンデレラ、なんや妖怪が出たみたいなリアクションやな(笑)


御門「強ち間違いじゃねえ…。…てか、何でアンタ俺の背後から…」

孝雪「みんなが騒いでる間に回り込んだに決まってるでしょ?」

御門「決まってねえ! そんな意味不明な事決めんじゃねえ!!」


爽やかな笑顔で言った王子様に、ビシリとツッコむシンデレラ。

そんなシンデレラに、王子様は満足げに笑います。


孝雪「うん、流石。僕が見込んだ通りの子だね」

御門「ヒッ……、な、何か悪寒が……」


黒さと冷気を含んだ王子様の微笑みに、思わず躰を震わせるシンデレラ。


孝雪「ねぇ、僕と一曲踊ってもらえる?」

御門「え…、嫌…」

孝雪「もらえるよね? うん、ありがとう」

御門「ちょっ…!」


答えは聞いてない!、な王子様。シンデレラの手を半ば無理矢理掴み、ダンスホールの中央へ連れて行きます。


翡翠「…鈴、俺たちも踊るか?」

鈴「あっ、はい!」

龍治「…ついでだ、一曲踊るか」

唯人「勿論構いませんが、龍治、踊れるんですか?」

龍治「何だ、その意外そうな顔は…」

唯人「いえ、別に」


隣国の王子様と継姉A、魔法使いと継母もそれぞれ手を取り合ってホールへと出ます。

王子様がパチリと指を鳴らすと、オーケストラの楽隊が優雅にワルツを奏で始めます。


御門「ちょっ、まっ…」

孝雪「ん? 踊れなくてもちゃんとリードしてあげるよ」

御門「っ、馬鹿にすんな、ワルツくらい踊れる!」

孝雪「そう、良かった」

御門「…っ」


王子様の挑発に、あっさりと乗ってしまったシンデレラ。

言ってしまった以上は後には引けず、ぶすくれながらも王子様に身を任せてステップを踏みます。


孝雪「…へぇ、上手だね」

御門「んだよ、その意外そうな言い方」

孝雪「意外だったから」

御門「テメェ…」


王子様を睨み付けながらも、シンデレラは優雅にそれは美しく踊ります。

王子様もまた、優雅で繊細にシンデレラをリードします。


御門「(…あ、でもコイツもかなり上手いな…。凄い踊り易い…)」

孝雪「…どうかした?」

御門「…ゃ、別に…」


少し王子様に感心していたシンデレラは、パチリと顔を覗き込まれて気まずげに目をそらしました。

微かに赤いその頬に、王子様の口角も上がります。


孝雪「…可愛いね」

御門「ッ、誰がっ…!」

孝雪「キミが」

御門「ッ……」


王子様にさらりと言われてしまったシンデレラは、更に赤くなって俯きました。


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