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砂凪「どうしよう…、はぐれちゃったみたい…」


継姉Aに続き、迷子二号です。

…この場合どっちが迷子なのかは微妙やけど、響き的に迷子の仔猫ちゃんを採用(笑)

ハムスターは困って辺りを見渡しますが、意外と広いお城の庭園、仔猫の姿は見当たりません。


砂凪「ど、どうしよう…」


──ガサガサッ!


砂凪「!」


と、突然草陰から物音が。

ビクッと躰を揺らしたハムスターは、小さな耳をぴるぴると震えさせながら恐る恐る草陰に呼び掛けます。


砂凪「あ、明良くーん…? いるのー? いるなら返事してー…?」


…しかし、返事はありません。

けれども草陰から聞こえる物音は大きくなり、遂にはガサッと大きな人影が姿を現しました。


砂凪「──!!」


大きなその影は、明らかに仔猫のものではありません。

ハムスターは咄嗟に頭を庇いつつ、生け垣へ飛び込みます。


砂凪「ちゅーっ! …ぼっ、僕は食べても美味しくないですぅっ!!」

桐琉「は…? あ、おい待て!」

砂凪「ちゅぅぅ!!」


パタパタと抵抗虚しく、首根っこを掴まれ捕まってしまうハムスター。

…この体勢、個人的には仔猫でやってみたいけどなぁ…(笑)

悲鳴を上げながら手足をパタパタとさせるハムスターに、捕まえている影は軽くため息。


桐琉「…お前みたいな小さいの、食おうとは思わない。とりあえず落ち着け」

砂凪「ちゅぅ…?」


ハムスターが顔を上げると、そこにはこれまた極上の美貌。

形良い三角の耳と、ふさふさとした尻尾、口元から微かに覗く犬歯を持つ彼は…、


砂凪「狼…さん?」

桐琉「あぁ」

砂凪「…ぼっ、僕は食べても…っ…!」

桐琉「だから食わねえって。落ち着けよ」


涙目のハムスターを、肩をすくめた狼が抱え直します。

子供にするように膝裏に腕を通して抱き上げ、くしゃくしゃともう片方の手でハムスターの頭を撫でる狼。

獰猛だと思っていた狼の思わぬ優しい仕草に、ハムスターはきょとりと瞳を瞬かせます。


砂凪「…えと…、あの…」

桐琉「…ん、落ち着いたか?」

砂凪「あ…はい…」


抱え上げられている為近い視線に、ハムスターはなんとなく気恥ずかしくなって俯きます。


砂凪「…あの…、どうして…?」

桐琉「逃げられると、本能で追いたくなるだけだ。…別にお前みたいな小さいの、食ったりしねえから安心しろ」


くしゃくしゃと頭を撫でる手が何度かハムスターの耳を掠め、むず痒いような心地になってきます。頬もほんのりと赤いです。


桐琉「…誰かの名前呼んでたみたいだけど、どうかしたのか?」

砂凪「あっ、明良君…。あの、お友達とはぐれちゃって…」


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あきゅろす。
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