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ふわりと笑う継姉Aに、隣国の王子様は優しく言います。


翡翠「会場には人が多い。よければ、捜し人が見付かるまで付き添おう」


極めて紳士的ですが、まぁ言うならナンパやな(笑)

無邪気な継姉は、差し伸べられた手を素直に取ります。


鈴「あ、ご親切にありがとうございます〜。…えっと、貴方のお名前は…?」

翡翠「…翡翠だ」

鈴「翡翠さん、ですか。あ、僕は鈴って言います」

翡翠「鈴、か。良い名だな」


その美貌を存分に生かして微笑む隣国の王子様に、継姉の小さな頬もほんのりと染まります。

…ウン、ここはもう上手くいちゃいそうやな(笑)

さて、ちゃっかりしっかり手を繋いだ二人が会場を渡り歩いている頃、シンデレラを乗せたカボチャの馬車もやっとお城へ到着したようです。


御門「…着いてしまった…」


煌びやかなドレスと暗いオーラを纏うシンデレラには、お城がどうやらラストダンジョンか何かにでも見えているようです。


明良「…ええっと、シンデレラ、魔法使いさんの話だと0時になると魔法が解けちゃうらしいから、時間には気を付けてね」

御門「タイムリミットとかどうでもいいから、とりあえず今すぐ帰りたい」

砂凪「そっ、それじゃあ話が成立しないから駄目だよ…! ほら、行ってらっしゃい」

御門「……、うん、分かった行ってくる…」

明良・砂凪「「行ってきてらっしゃい、気を付けてシンデレラ!」」


猫耳とハム耳の御者たちに見送られ、シンデレラは死地へ赴く兵士の心地で階段を上っていきました。


砂凪「……で、僕たちって時間まで何してればいいんだろ?」

明良「…さぁ?」


うん、じゃあとりあえずキティは俺んトコ来て遊ぼうか!(笑顔)


明良「…いや、そっち行ったらもう劇には戻って来られなそうだから、遠慮しておきます…」


…チッ。


明良「(ビクッ) しっ、舌打ちしてもダメなものはダメっ!」

砂凪「…耳としっぽがなければ、僕らも会場の中を見て回れるんだけど…。このまま中に入ったら目立っちゃうよね?」


アクセサリーやと思えばええんちゃう?


砂凪「無理だと思います…」

明良「あ、中庭の散歩くらいだったらいいんじゃないか? 人気もあんまないし、暗いから目立たないし」

砂凪「そうだね」


シンデレラの帰りを待つ間、中庭の散歩をする事にした仔猫とハムスター。

お城の手入れされた綺麗な庭園は、ただ歩くだけで心踊らせます。


砂凪「わー、可愛い薔薇の花〜。…ねぇ、明良君これ……ってあれ?」


ハムスターが振り向くと、仔猫の姿がありません。

♪ 迷子の迷子の仔猫ちゃん〜


砂凪「あなたのお家はどこですか〜? …って、そうじゃなくて!」


ちゃんと乗ってくれる、ハムスターはええ子やな(笑)


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あきゅろす。
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