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…チッ。…えー、継母たちが出掛けて暫し、日が暮れてきた空を眺めて、シンデレラは思いました。
『私も舞踏会へ行きたかったわ…』
御門「思ってねぇよ」
思ったんや!
…と、するとそこへキラキラと光輝く風に乗ってとある人影が……。
龍治「…シンデレラというのはお前か」
御門「…うわっ、俺が言うのも何だけど、激しく似合わない配役の人が来た!」
それは近くの森に棲む魔法使いの妖精でした。
…ぁ、魔法使いの妖精に性別はあらへんから、リュウは流石に女装はしてへんで? 読者のお嬢さま方、安心しぃ(笑)
御門「…えーと…、何の御用でしょうか…」
無表情にやたら威圧感のある魔法使いに、若干引き気味のシンデレラ。
ホラ、魔法使い! スマイルスマイル!
龍治「ナレーター煩ぇ。…おいお前、何故一人で留守番などしている」
疑問文の語尾が上がりません。完璧に尋問です。
御門「あー…、舞踏会に着て行くドレスがないので…」
龍治「そんな事なら、俺が何とかしてやろう」
御門「えっ!? いや、いいですよ! …正直嫌な予感しかしないから、舞踏会になんか行きたくねえし…」
龍治「ごちゃごちゃ煩い。…唯人が会場で、『やっぱりシンデレラさんが心配ですね…』って漏らしてたんだ。何お前唯人心配させてんだ、いいから舞踏会に行け」
御門「えぇぇ!? 魔法使いの私情で舞踏会行かされんの!?」
龍治「唯人が心配してんだよ、煩わせるな」
魔法使いは継母さえ良ければそれで良いようです。
魔法使いは魔法のステッキを取り出し、シンデレラに魔法をかけます。
龍治「…ほぁた!」
御門「って、まさかの呪文ソレ!!?」
D社の呪文は使うと後が怖そうやからな〜(笑)
ボンッ!、…と音がしてシンデレラは子供の姿に……はならず、綺麗なドレスとガラスの靴を履いた姿になりました。
御門「うわぁ……」
いや、元々美人さんやから似合っとるで? そんな凹まんでもええやん、シンデレラ。
御門「凹むよ、思いっきり凹むよ…」
龍治「…後は馬車と御者か…。…カボチャは何処だ?」
砂凪「ちゅー」
ハムスターが、大きめのカボチャを抱えてやってきます。
魔法使いはステッキを構えると、また呪文を唱えました。
龍治「…ほぁた!」
明良「…うわっ、聞くの二度目でも先輩がその呪文言うの結構厳しい…! って、喋れるようになった!」
砂凪「あ、ホントだ。……でも、何で耳としっぽは取れてないんだろう…?」
御門「…強いて言うなら鈴の呪いじゃねえ?」
カボチャは立派な馬車に、小さかった仔猫とハムスターはシンデレラと同じ年頃の御者へと姿を変えました。
耳としっぽ、めちゃめちゃ可愛えからそのままで良かったわw
龍治「これで舞踏会に行けるだろう。行ってこい」
御門「いや、だから行きたくないんだけど…」
龍治「あぁ、でも深夜0時までには帰って来い。魔法が解けるからな」
御門「聞いちゃいねえ…」
がっくりと肩を落としたシンデレラは、それでも話の進行上仕方なく、猫耳とハム耳の御者に慰められながら馬車へと乗り込みます。
そして馬車が走り出す直前、淡々と魔法使いが爆弾発言。
龍治「あぁ、言い忘れていたが、俺はもうすぐお前たちの義父になるからな」
御門「──!? ちょっ、待って!? 今の言葉プレイバックー!?」
ネタチョイスの古いシンデレラの叫びは虚しく、馬車はお城へ向けて走り出したのでした…。
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