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…さて、そんなそれなりに幸せな日々を送るシンデレラたちの元に、お城からの舞踏会の招待状が届きました。
王様のお誕生日パーティーという名目でしたが、噂では王子様の花嫁探しを兼ねているんやとか。
あまり物事に執着しない継母は正直王子様云々には全く興味が無さそうでしたが、たまには外食も悪くないかな、と思ったようです。
唯人「…そういう訳で、今夜はお城でパーティーが開かれるそうです。鈴君の料理に勝るものはありませんが、たまには外食も気分が変わって良いかもしれませんね」
鈴「わーい、お城のご飯〜!」
椿「そうだね、鈴も少しは休まなきゃ、ね」
しかし楽しそうな継姉たちに対し、シンデレラは微妙な表情です。
御門「あー…、俺はパス…という事で」
鈴「えーっ、何で〜?」
御門「俺はお母様やお姉様たちみたいに綺麗なドレスも持ってないし…、場違いだろ?」
鈴「お洋服なら、僕の貸すよ?」
御門「気持ちは有り難いけど、絶対入らないから」
鈴「Σ!」
苦笑しながらもキッパリ言ったシンデレラの言葉に、継姉A撃沈。
継姉Bがぽんぽんと肩を叩いて慰めます。…麗しきかな、姉妹愛。
唯人「…椿さんの服ならシンデレラさんにも入るんでしょうが…、そこは話の進行上敢えて気付かない方向で」
継母、空気を読みました。
唯人「…では、シンデレラさんにはお家で明良と砂凪君とお留守番を頼みますね」
御門「え、明良と砂凪…って何役…? …って、うおっ!?」
明良「にゃー」
砂凪「ちゅー」
いつの間にか足元に居た二匹の小動物に、思わず声をあげるシンデレラ……、って言うかキティ可愛い! なんやソレ、猫耳!? しっぽ!? しかもなんかちまいし…、くあ〜、可愛え!! 今すぐ持って帰りたい!!
鈴「ナレーターさんじちょー(笑)」
御門「待て鈴、その言葉どこで覚えた。…じゃなくて、この二人(?)は…?」
唯人「嫌ですねシンデレラさん、家で飼っている仔猫とハムスターじゃないですか」
明良「にゃー」
砂凪「ちゅー」
御門「仔猫!? ハムスター!? …え、耳としっぽはえてるけど、しかもついでに幼児化してるんだけど…」
鈴「幼児化はオプションですっw」
御門「お前か! やったのはお前か!!」
グッジョブ継姉! あー、キティマジ可愛いー!!
…やべぇ、本気で食いてぇ…(ぼそり)
御門「…いやナレーター、本気で自重しろ」
唯人「…では、私たちは出掛けてきますね。お土産持って帰って来ますから。明良も砂凪君も、良い子にしているんですよ」
明良「にゃー」
砂凪「ちゅー」
御門「…あれ、この二人もしかして喋れないのか?」
こうして、継母と継姉たちはお城の舞踏会へ出掛け、シンデレラは家でペットたちとお留守番をする事に。
ああ、可哀想なシンデレラ。今頃お城では舞踏会が行われているのに、彼女は一人ぼっち…。
御門「…いや、一応仔猫とハムスターいるし」
…って、その猫じゃらしズルいわ! 俺もちび猫キティと遊びたい!!
…そんな訳で、シンデレラ、その猫じゃらしを俺に寄越しなさい。
御門「アンタマジで自重しろ」
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