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これが別の友人ならば遠慮なく茶化してやる所なのだが、満朔と稜平の場合ガチ感が強くていじるにいじれない。しかもお互いにまったくその自覚が無さそうだから、下手に話題にすると思わぬ地雷を踏み抜きそうで恐ろしい。


(俺ら以外のクラスメイトからもニコイチで夫婦扱いされてるのに、全然気付いてないヤツらだからなー)


三バカと呼ばれ馬鹿扱いされている彼らだが、その辺りに関しては稜平や満朔程は鈍くないつもりだ。色恋沙汰は端から見ている方が分かりやすい、というのもあるかもしれないが。


「……どう見ても両想いなのになー」
「は?」
「あっ、今井バカ!」
「ぶっ!?」


稜平を眺める満朔を見ながら考えていた言葉は、思わず口に出していたらしい。(少なくとも彼にとっては)脈絡の無い言葉に満朔はきょとんと振り向き、木村が叫び田原には無言で思いきり口を塞がれた。

もう言葉は零れ落ちた後なので口を塞いでも意味はないが、もごもごと田原の手のひらで口を覆われている今井に、満朔は胡乱げな視線を向ける。


「どうしたんだよ?」
「いや? それよりデザートまだかなー?」
「なんだその露骨な誤魔化し」


不審な行動を取る今井と田原を誤魔化すように木村が言い、満朔は小さく唇を尖らせた。

彼らは稜平以外では一番仲が良いクラスメイトだが、まず三人トリオで仲良しな為、一緒にいるとこうして若干の疎外感を感じる事もある。

それは稜平満朔と一緒にいる時の友人たちの意見と同じと知るよしもない満朔が微妙な心地に憮然としていると、ちょうど良く稜平がそれぞれの飲み物とデザートを運んでくる。


「お待たせしましたー……どうかしたのか?」
「いや、別にー?」
「わーい、パフェパフェ」
「あ、今井そっちの砂糖取ってくれ」
「…………」


これ幸いと今までの流れを放り出しそれぞれの注文に飛び付く三バカトリオと、露骨に誤魔化された事にむっつりと唇を尖らせる満朔。

三バカはこれが通常運転として、不機嫌なような拗ねているような満朔の様子が気にかかる。


「ミッサ?」
「……」


稜平の声には応えず、無言でスプーンを取ってプリンパフェをひと口食べる満朔。パフェが美味しかったのか、僅かに緩んだ雰囲気に、稜平はぽふぽふと満朔の頭を撫でる。


「シフト上がりまであと一時間ちょいだからさ、パフェ食べてちょっと待ってて。で、みんなでカラオケでも行こーぜ、三バカの奢りで」
「「「何でだよ!!?」」」


稜平の言葉が聞こえていたのか三バカが一斉に抗議の声をあげたが、満朔はクスリと笑って頷いた。


「いいな、それ採用」
「ちょっ、ちょっと待った!」
「何故に俺らの奢り」
「さっき俺を理不尽にハブにしたから」
「してないし!!」
「は? お前らミッサハブにしたの? ふざけんなよ」
「してないって、誤解誤解!!」


ギャーギャーと騒ぐ声が落ち着いたのは、仕事中の稜平が先輩らしき店員に怒られて仕事に戻って行ってから。

パフェに載っていたアイスは少し溶けてしまったが、それでも稜平のオススメの通り美味しかった。














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友達の働いてる姿って、ちょっと新鮮でいいよね! そんな訳で、バイト中の稜平にときめく満朔です。

稜平と満朔の無自覚両想いは、周りの人間には察されてます(笑) 先生とか一部のクラスメイトとか。無自覚ほもっぷるに優しい周囲ですww


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