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はじまり

桜散り切らぬ四月の始め。入学式からほんの二、三日しか経っていない頃、俺のお気に入りのサボリ場所にひょっこりと現れた後輩。

銀フレームの眼鏡が真面目な優等生といった印象を与えるのとは裏腹に入学早々授業をサボるつもりらしい新入生は、先客である俺の姿を見付けると少し驚いたような顔をした後、微かに口元を緩ませて笑った。


「こんにちは、先輩」
「……こんにちは、後輩。入学早々サボリか?」
「サボリは先輩もでしょう? お互い様じゃないですか」
「…まぁな」


後輩のサボリを先輩ぶって咎める権利は、一年の頃からサボリ魔の俺にはない。

多目的教室、という名のちょっと綺麗な空き教室。春の陽射しが差し込む窓際で、俺はくぁ、と欠伸をした。陽射しは少し眩しいが、それ以上に暖かい。

サボる気満々らしい後輩はカーペットが敷かれた床に早速寝っ転がり、欠伸をしている俺に言った。


「此処、なかなかいいですね。昨日見学からちょっと外れて見回ってた時から、サボるのに良さそうだなって思ってたんです」
「普通の空き教室より小綺麗だからな。その割に授業ではほとんど使ってないし。…てか、昨日の時点からサボリ場所に目を付けてたのか後輩」
「はい。だから今日、早速居心地を確かめようかと思って」


クス、と反省した様子もなく笑う後輩は、見た目ばかり優等生で中身は大概不良だ。俺が言えた義理じゃないが。

眼鏡の下の容姿は、まだつい先月まで中学生だったの幼さが僅かに残るもののなかなかの男前だ。似非優等生なのが残念だな、なんて思いながら俺も口を開く。


「…先客がいて残念だったな」
「別に、先客が居ても気にしませんよ。先輩が気にするなら、考えますけど」
「……別に、俺も気にしないけど」
「じゃ、このまま居座らせてもらいます」


言って、ごろ、とまだ真新しい制服のまま床を転がる。

眼鏡を掛けたまま目を閉じ、程なくして寝入ってしまったらしい後輩から視線を逸らし、俺もまた欠伸をしてから瞼を閉じた。


春の陽射しが気持ちいい日。何気ないこの出逢いが、俺の平凡だった人生を変えてしまうだなんて、この時の俺はまだ知る筈もない。














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後輩×先輩のえろい話の始まりの話。基本的にえろ7割、健全3割くらいの一話完結形式の話にしていきたいと思います。

割とえろ重視です、当社比五割増しくらいでハードなプレイなんかもしちゃう予定です(笑) 楽しい!!!wwww


14/4/1

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