short
13 ※
ガツガツと腰を打ちつければ、依月の躰が震え奥がきゅうきゅうと締まる。
苦しそうだが艶のある嬌声からいって依月はちゃんと後ろでも快楽を感じているようだが、絶頂に達するには足りないだろう。
俺自身は、快楽を追う為に動いているだけあってそろそろ限界も近い。依月のナカに入れているのに、俺だけがイクというのは男として嫌だなと思った。
出来るのなら、このまま、俺を銜え込んだままでも依月にも達して貰いたい。俺を銜えたまま、絶頂を迎える表情が見たい。
「！ やっ……！？」
指を伸ばしたのは、暫く触れずにいた依月の中心。
一度達した後また勃ち上がってじわじわと透明な先走りを零していたそれを掴むように触れると、依月が驚いたように高い声をあげた。
「あっ、そこ…っ」
「ん。……ちゃんと、イかせてやるから」
俺の独りよがりな好意でも、依月に苦しい思いはさせる行為にはしたくない。
ビクビクと震える熱に指を絡ませると、また高い嬌声があがった。
「ひぁっ…！」
「ッ、く……」
後ろの突き上げと、前への愛撫と。俺の行為に感じてくれているのか、また俺を呑み込む奥が強く締まった。
そろそろ、限界が近いかもしれない。奥のしこりを擦り上げながら依月を見下ろすと、呼吸の乱れた依月が快楽の滲んだ瞳で此方を見上げた。
とろんと蕩けた、その瞳。
「惣…っ」
舌足らずな声が俺の名前を呼んだ瞬間に、ドクンと鼓動が弾けた。
「やァッ…！ あっ、あー…！」
「っ、依月……！」
あがる嬌声に合わせるように腰を打ちつけ、前を擦り上げる。
俺ももう、絶頂はすぐ其処だ。このまま依月の奥に欲望を注ぎ込んでしまいたい衝動を抑え、依月を絶頂へ導くと共に、何とかその心地の良い内壁から自身を引き抜く。
「やぁぁぁぁっ……！！」
「くっ…！！」
二度目の絶頂に弾けた依月が自分の腹の上に白濁を散らすのと同時に、俺自身の欲も彼と同じ場所に吐き出す。
二人分の精液で汚れた肌。絶頂の余韻か、息を上がらせながらも虚ろな瞳で宙を見つめる依月の艶めかしさに、俺は息を飲み下した。
「はっ……あ」
「……ぁ」
ふと気付いたように俺を見上げた瞳から逃れるように、その瞼を手のひらで覆い、俺は囁いた。
「……もう、寝ろ。それで、」
――明日になったら、全部忘れてくれ。
俺の言葉が届いたかは分からないが、瞼を隠した依月はアルコールのせいか、絶頂後の倦怠感のせいなのか、そのままゆっくりと寝息をたて始めた。
「…………、依月」
ごめんな。親友だって慕ってくれる、お前のこと、好きになって。
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