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short
6 ※

「僕は、大丈夫…だよ。続けて…」
「…ん」


微かに震えた声で先を促すと、耳元で小さく息を吐かれた。

ゆっくりと、中を押し広げるように侵入してくる指先に、息を詰める。


「……セイン」
「ん……っ」
「躰が少し、強張ってるよ」


仕方ないね、とヘンリーがため息と共に囁く。

大丈夫、と虚勢を張る前に、伸びてきたヘンリーの指先が痛みと違和感に萎えかけていたセインの中心に再び触れた。


「ふぁっ……?」
「痛いのは気にしなくていいよ。今は、こっちに集中して」


ゆるゆると優しく、けれど的確にセインの感じる箇所を攻め立てられ、彼の誘導の通り意識は前の方へ持っていかれる。

自身に直接的に与えられる快楽に段々と震えていた躰は弛緩してゆき、ヘンリーはその隙を狙って奥深くまで指を押し進めてゆく。


「は……ふ、ぁ…」
「ん、もうちょっと…」
「! ぁ、あぁっ…!」
「…届いた」


奥まで差し入れた指、よく知ったセインの場所を攻めたてればもう、彼の躰は解けていくばかりだ。

そのままヘンリーは片方の手で後腔を解しつつ、もう片方の手では張り詰めていくセインの中心を上り詰めらせていく。


「あっ……ぁぁ…!」
「セイン、声」
「っ……ふぅ、ん…」


あくまでも此処が、人気は無いとはいえ図書館の中であるとは忘れさせないように。

咎めるように降ってきたヘンリーの柔らかい声に、セインは声を抑えようと必死に唇を噛み締めた。

いつしか躰中を支配する快楽に力加減が効かなくなったのか、口の中に錆びた味が広がる。

自身を扱いていた指先がそっと口元へ上がってきて、微かに緋が滲んだアプリコットをなぞった。


「…血が出てるよ」
「っ、ぁ……でも……」
「…うん。でも、怪我なんてしちゃ駄目」


声は抑えなくてはいけない。けれど、唇を噛み締めたり指を噛んだりして血を出すのは駄目、とはなかなか難しい注文だ。

ちらりと肩越しにその端整な美貌を振り向くと、仕方ない子だと言いたげな表情で額に口付けられた。

無茶を言っているのは、どちらだというのか。


「っ、じゃあどうしろって、ぁっ、言うの…っ」
「…とりあえず、唇を噛んだら駄目だよ」


囁きと共に濡れた指先が唇の上をなぞると、広がっていた錆の味が消える。水属の、簡単な治療魔法だろう。

疵の消えたアプリコットの唇を軽く押したかと思えば、形良いヘンリーの指先が再び口腔内に押し入ってきた。


「むぐっ…!?」
「…噛むなら、私の指にして」
「っ、ん……!」


それだと、ヘンリーに傷が付くではないか。

文句の言葉は差し入れられた指先に邪魔されて、音にならない。

視線だけで不満を告げると、苦笑いを返された。


「……私は、いいの」


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あきゅろす。
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