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short
side.Aria

ほんの少しだけ優しい色を滲ませた、蒼い色をした瞳が好き。


「…アリア」


廊下を歩いていると、ふと聞こえた呼び声。

低くて落ち着いた、冷めているようで優しさを一滴落とし込んだような声。

振り返ると、少し後ろでリオが軽く手招きしていた。


「リオ」


ぱたぱたと小走りに近寄る。途中、石廊の小石に蹴躓きそうになったけど、腕を伸ばしたリオが転びかけたアリィの事を捕まえてくれた。

背の高いリオを見上げると、彼は小さく息を吐いてアリィの頭をくしゃくしゃと撫でた。


「…足元気を付けろよ」
「ん」


リオはよく言う。アリィは鈍臭い、って。…そんな事、ないよ、ちゃんと気を付けてるよ。

髪の毛をくしゃくしゃかき混ぜるようにして手を離すと、リオはポケットから小さな包みを取り出す。

甘い匂い、チョコレートかな。


「口開けろ」
「…ん」


あーん、と口を開けると、リオは包みを剥がしてアリィの口の中にチョコレートを放り込んでくれる。

…、包みごと渡してくれれば、アリィも自分で食べれるんだけどな。リオに食べさせてもらうのも好きだから、言わないけど。

あむあむとチョコレートを咀嚼していると、リオは小さく微笑んでまたアリィの頭を撫でてくれた。


「…美味いか?」
「ん」


うん、美味しいよ。

…リオはアリィに逢うといつもポケットからお菓子を出してくれるけど、自分の分を食べているところは見た事がない。


「…リオは」
「ん?」
「食べないの?」


首を傾げて訊いてみれば、ぱちりと瞬く蒼い色の瞳。


「…俺は、別にいいんだよ」
「……」
「余計な心配しなくていい。これは全部お前用だから」


くしゃくしゃくしゃ、髪の毛をかき混ぜるように撫でるリオの顔には、柔らかい微笑み。

……、やっぱりリオは自分ではあんまりお菓子は食べないのかな。

それでもいつもポケットにお菓子を入れてるのは、アリィだけの為なのかな。


「…そっか」
「ん?」


…嬉しい。

甘いお菓子をいつも貰えるのは、もちろん倖せ。…でもそれ以上に、リオがいつでもアリィの事を思ってお菓子を用意してくれている事が、とても倖せで嬉しい。


「おっ、…どうした?」


その腕の中に飛び込むみたいに抱き付くと、リオは少しだけ驚いた顔をしながらも両腕でアリィを受け止めてくれた。

あったかい胸にぐりぐりと額を押し当てると、頭上でふっと笑う声。


「いきなり何だよ、…ヘンな奴」


ヘンだ、なんてそう言いながら、リオはアリィをぎゅっとしてくれた。

アリィはヘンな子だって、色んな人に言われた事があるけど、でもきっと、こんな風にアリィに優しいリオもヘンな人なんだと思う。

…そしたら、ヘンな人同士、お似合いだね。














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エリオ視点だと全く何考えてるんだか分からない、アリアの一人称。…15歳でこの幼児加減はヤバいような気もするけど、まぁいいや(笑)

そんな訳で、懐いてますw そして優しい彼が大好きですv

アリアはおばかなようでおばかではないので、エリオが「優しい」のは自分にだけなんだと何処かで気付いてる。…そんなところを含めて、エリオが大好きです。口には出しませんけど(笑)


11/9/12

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