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アットホーム・ラブライフ
やましい気持ちは掃き捨て

「なーなー、今日稜也ん家行こうぜー」
「おー、引っ越したばっかで綺麗なんだろ? 広いんだろ?」
「…勝手に決めるな、ウチは駄目だからな」


俺のすぐ隣で、しかし俺の意見はまるっと無視して話を進めようとしている悪友たちに、俺はやや低い声で釘を刺した。

新学期に合わせて大学の近くへと引っ越した俺の部屋は、まぁそれなりに綺麗だし結構広い。

だからと言って、たまり場にされるのは絶対にご免だし(コイツらは絶対に荒らすだけ荒らす)、そう出来ない理由もある。


「えー、何でだよ稜也のケチ!」
「部屋広いんだろ? 騒いでも大丈夫なんだろ?」
「…まぁ部屋は広いけど、ルームメイトが居るんだよ。相手の迷惑になるから、騒ぐのは絶対駄目だ」


…そう、今俺にはルームメイトがいるのだ。

中学生とも見間違えるような幼い容姿をしていながら、案外しっかり者で、自分の信念に真っ直ぐで…ちょっと変わり者な女の子が。

一緒に暮らしてみればよく気も付くし、分担した家事もテキパキとこなしてくれるし、適度な距離感を保ってくれているしで、ルームメイトとしては申し分ない子だから、余計に迷惑はかけたくない。


(…だいたい、コイツらに桐を見せたくないし)


俺のルームメイトが(見えなくとも)同年代の女の子だと知れれば、事あるごとにやれ合コンだなんだと下世話なコイツらの事だ、絶対にお近付きになろうとちょっかいをかけてくるだろう。何せあの子は可愛いし。

せっかく桐が俺を信頼してくれているのに、こんな形で裏切りたくなどない。だから、こんな友人たちを彼女に近付けるのは絶対にNGだ。


「ルームメイト? …大丈夫大丈夫、俺らお土産持ってくし!」
「一緒に騒いじゃえば問題ないって!」


なのにコイツらときたら、何も分からず軽く言ってくれやがる。

多分、ルームメイトが女の子だとは思っていないのだろう。普通に考えればそうだ。…俺からは訂正なんてしてやらないけど。


「だ・め・だ」
「「ケチ!!」」
「ケチで結構。…ほら、四限の講義始まるぞ」
「「ぶーぶー」」


不満を垂れる友人たちを受け流し、俺は講義が行われる教室へ歩き出した。

まだ俺もちゃんと仲良くなってないっていうのに、コイツらなんかに紹介していられるか!



やましい気持ちは掃き捨て

(それは始まりの独占欲)












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稜也と友人たち。稜也の友達は、わりと何処にでもいるカンジのゆるゆる大学生で(笑)

稜也は彼らが嫌いじゃないけど、結構雑に扱ってるw 男子の友情ってそんなカンジだよねww ←

季節は四月の終わりから五月始め頃。もっとルームメイトと仲良くなりたい頃w


11/7/14


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あきゅろす。
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