書きかけ放置文まとめ
餅は餅屋(2012年 ハロウィン)
「ハロウィンだって」
「…あぁ、そうみたいだな…………って、なにそれ」
ほとんど一緒に住んでいると言っていい、通い慣れた伴侶の部屋。
ソファーの上に転がって今月発売したばかりのゲームに勤しんでいた星那は、声を掛けてきた伴侶の姿を見て目を丸くする。
「こういうのが、この国で一般的に考えられてる吸血鬼の格好だって聞いたんだけど……」
「…まぁ、確かに大体そんな感じかもしれないけど…」
どこから調達して来たのか、西洋貴族の着るような夜会服に、長い漆黒のマントがひらひらと揺れている。勿論、マントの裏地は鮮やかな深紅だ。
背の高く艶やかな銀の髪を持つ空瀬には非常に良く似合った格好だが、そんな格好をせずとも空瀬は紛れもなく本物の『吸血鬼』だ。本物がイメージに歩み寄ってどうするのだ。
思わず顔をしかめる星那に、空瀬はデカい図体で可愛らしく首を傾げた。
「……似合わない?」
「…、これ以上ないってくらいに似合ってるよ」
「そう。良かった」
安堵したように微笑んで頷くその姿は、伴侶の欲目か妙に可愛らしい。
手にしていた携帯ゲーム機を閉じ、空瀬に向き直ると、星那は「で?」と問い返した。
「ん?」
「だから、何で突然そんな格好してるの?」
「…だから、ハロウィンだよ」
「あぁ…」
そういえば、さっきそんな事を言っていたか。
純魔族の空瀬が、妙なトコロだけ人間界をエンジョイしているのはいつもの事だ。ずるずると長いマントの先を摘むその様子を見て、星那は小さく笑う。
「空瀬以上に、その格好が似合うような奴は居ないだろうな」
「……そう?」
「ホンモノに敵うような人間は居ないだろ」
よく似合う、と星那は傍らにあった携帯電話を取ってその姿にカメラを向けた。
あまり光を苦手としない吸血鬼は、小さな画面の向こうの伴侶に柔らかく微笑みかける。
「…星那」
「ん?」
「星那もハロウィン……しよう?」
「いや、俺は……って、お前何それ!?」
「淫魔っていうと、こんな感じのイメージなんだって」
言いながら空瀬が取り出したのは、女性用のレオタードのようなかなり露出の高い衣装。
それを、着ろというのか。もうほとんど下着に近いではないか、それ。
微妙な顔をする星那に、空瀬は笑顔で迫る。
「ほら、星那」
「…ちょっと待て、何で眼が紅いんだ空瀬……ちょっ!!?」
その後なし崩しに伴侶の時間になだれ込んだのも、……二人しか知らないハロウィンの夜の話だ。
(ていうかただのコスプレで、ハロウィン関係ないじゃん)
(? ハロウィンってこういうのじゃないの?)
(……お前ハロウィンって何か知ってる? 決してコスプレしてヤる日の事じゃないぞ)
Happy Halloween!
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待宵草でハロウィン……ハロウィン?(笑)
ちなみに淫魔(サキュバス)の衣装と聞いて、一番最初に思い浮かんだのがヴァン●イアセ●ヴァーだったので、星那の衣装はそんなイメージです(笑) 砂金さんはりりす派だよ、安定のろりこんだよ ←
もうこれあんまりハロウィン関係なかった…w 結局trick or treatすら言ってない…ww
12/10/11〜11/11(拍手掲載)
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