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蜂蜜砂糖 log
俺と八雲さんのお買い物 A

* * *



「綺、マッシュルームってコレ?」
「…いえ、それはブ●ピーです…。とりあえずパッケージ見ましょうよ、八雲さん…」


何だかやたら楽しそうにカートを押す八雲さんが手に取った白いしめじに、俺は思わず深くため息。

そんな気はしてたんだけど、やっぱりこの人食材とかは分からないんだな…。…てか、キノコはパッケージの文字見れば何だか分かるだろうに。


「あ、綺。キャベツいるんだっけ?」
「…残念。それはレタスですね、八雲さん」
「へぇー」


はい、1へぇ頂きました。金の脳にはまだまだ遠いです。

…しかし、キャベツとレタスの区別もつかないのか…。…コレは俺が色々教えた方がいいのか? 主に一般常識を。

俺はレタスと反対の棚に積んであったキャベツを籠に入れながら、キョロキョロと物珍しそうに売り場を見渡す八雲さんを振り向く。


「…八雲さん、今度一緒に魚屋さんに行きましょうか」
「ん? そうだね、綺と一緒なら行こうかな」


ニコ、と笑う八雲さんに、周囲の夕飯のお買い物中な主婦の方々が悩殺されたようです。…超然美形の殺傷能力に、年齢の壁はないらしい。

そんな悩殺ビームを正面から浴びた俺は、深く長く息を吐く。


「…とりあえず、ヒラメとカレイを見分けられるくらいまでになって貰いますからね…!」


俺はそんな美人な笑顔には誤魔化されません! まさか魚が切り身のまま泳いでるとか思ってたりしたら、本気で再教育を考えようと心に誓う。


「…綺、次に買うものは?」


俺がスパルタ教育を考えているなんて知るよしもない八雲さんは、コロコロとカートを引きながら振り返った。

…今更だけど、八雲さんとスーパーのカートって、似合わない組み合わせだよね。いや、それなりに視覚的な絵にはなるんだけどね、美形だから。…ただ、普段の八雲さんを考えると恐ろしく似合わないだけで。

考えながら遠い目になる俺を、八雲さんは不思議そうに覗き込む。


「…綺?」
「あ、あぁ…すみません。…最後に卵を買えばOKですよ」


逆に卵を買わなかったら、オムライスは出来ないからね。

油断すると変なものを拾ってくる八雲さんを制する為に、カートを引いていない方の手を取る。
手を繋ぐって意図ではなかったんだけど、八雲さんは手綱代わりの俺の手を握った。…振り払う理由はないから、そのままで。


「八雲さん、白い卵と茶色い卵とどっちがいい?」
「んー、じゃあ茶色」
「はい」


…まぁ、そんなに違いはないんだけどね。値段も大して変わらないし。

茶色い卵のパックを籠に入れて、混雑するレジに並ぶ。お金を払ってエコバックに買ったものを詰めたら、八雲さんが荷物を持ってくれた。


「…別に、荷物持ち頼むほどの荷物じゃないのに…」
「僕が持ちたかったから、いいでしょ?」
「そりゃ、助かりますけどね」


バックを片手に、もう片方の手で八雲さんは俺の手を取った。長くて形良い指が俺の指を絡め取って捕らえる。

…冷たい手。心が優しいって、ホントかな?

カツカツと足早に歩く八雲さんを、少しだけ手を引いて引き止める。


「八雲さん」
「ん?」
「もう少しだけ、ゆっくり歩きましょ?」


…お腹は空いたけど、もうちょっとだけこのままゆっくり歩いていたい。

繋いだ手をギュッと握れば、八雲さんは小さく笑って歩調を落としてくれた。











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二人で手を繋いでお買い物、がやりたかった話です(笑) 新婚です、無自覚に新婚さんですw

綺は料理上手。家庭料理とかが専門です。肉じゃがとかきっと得意ですね、いい嫁だw


【蜂蜜砂糖 そのはち】 09/8/20

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あきゅろす。
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