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蜂蜜砂糖 log
マーキング

※ それぞれカップル成立後設定



ちらり、と小さな首筋にふとした瞬間に覗く、紅。


「御門くーん、雅弥くーん、お昼ご飯食べに行こうー」
「ん、あぁ…」


四人分の昼食の入ったバスケットを抱え、こてっと小首を傾げた鈴の、その襟元ぎりぎりの箇所。

どこからどう見ても所有印だと知れる紅い痕が、一つ。


「…御門君? どうしたの?」
「い、や、何でもない…」
「そう? ヘンな御門君」


クスクスと鈴を転がすように涼やかに笑う彼が姿勢を戻すと、制服の襟の中にその紅は隠れる。

ふとした瞬間に覗きは隠れ、その存在を主張する紅の痕に、御門は結局それを本人には指摘出来ずに口を噤んだ。

鈴が愛紗を呼んで来ると隣の教室に駆けて行くのを見送り、隣に立った友人を振り返る。


「……なぁ雅弥、アレ見えた?」
「うん、アレ、目立たないようで巧妙に目立つよね…」


感じる事は雅弥も同じだったのか、神妙な声で応えが返ってくる。

…所有印、キスマーク。その呼び名はどれでも構わないが、あの鈴にそれを付けられる人物は、この世に一人しかいない。


「会長も、見た目によらずなかなかやるって言うか、何て言うか……」


御門はため息を吐きながら、そう呟く。

あの鮮やかな紅は、おそらく相当強く吸い上げなければ付かない痕。禁欲的な顔をして、案外がっつりやる事はやっているのか。

微妙な表情で頬を掻く御門の隣で、雅弥が軽く肩をすくめる。


「恐ろしいのはそれだけじゃないよ。…あの襟元の痕、普段は隠れてるけどふとした拍子に見えるように、狙って付けられてるんだ。相当な技巧だし…、独占欲も滅茶苦茶強いのが窺えるよ、アレ」
「…うわぁ…」


流石普段は冷静沈着の生徒会長である癖に、鈴の事となれば途端に顔色の変わる翡翠ではある。

表に出ている以上に、彼の独占欲も強い。

友人を思って表情を引きつらせる御門に、けれど雅弥は呆れ気味にため息を吐く。


「君の場合は他人の心配してるどころでもないでしょ、御門。…絆創膏とかならよく聞くけど、首筋半分にがっつり湿布とか何事なの」
「………、寝違えたんだ、コレは。そういう事にしておいてくれ……」


そう言って青ざめた顔で俯いた御門の首筋半分を覆うように貼られているのは、大きな白い湿布。

広範囲を覆うその下には…、何が隠されているかは推して知るべきだろう。


「…みんな基本的に我慢しないよなぁ…」
「お前だってそうだろうよ…」
「ふふふ…」


呆れた声で呟いた御門に、意味あり気に笑う雅弥。

二年の教室で小さくくしゃみをした天然美人の事など、今の彼らは知る由もない。



(全ては愛故に)















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突発的若干いかがわしい系SS(笑) 攻め組の執念深い独占欲が怖いお話ww ←


文章中には出なかったですが、雅弥は耳の後ろとか項とか、本人には見えないけれど周りには見える場所に好んで付けるタイプですw

椿は天然だから絶対に気付かない ← 周りは気付いても指摘出来ない、翡翠や孝雪は気付いても敢えて指摘しない(笑) 雅弥の思惑しっかり成功してます、恐ろしいww


【蜂蜜砂糖 にじゅうに】 11/9/8

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