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蜂蜜砂糖 log
俺と八雲さんの月夜 D ※

浅ましいカラダ。…でもさ、愛玩される“ペット”にはお誂え向きでしょ?

八雲さんの腕にしがみついて何とか姿勢を保ちながら、俺は自分のものとは思えないような疳高い声で鳴いた。耳元で笑う、八雲さんの吐息。


「…あっ、ぁ…やぁぁ…!」
「…いいよ、もっと感じて」
「ぅ、んっ…、やくもさん…っ」
「綺のこと、感じさせて…」


囁いた一瞬だけ、いつも飄々としている八雲さんの表情が痛ましげに歪む。

──その寂しさを埋めてあげたい。…俺を拾い上げてくれた、貴方の。

俺は精一杯の力で八雲さんの首に腕を回し、縺れ込むようにそのままベッドに倒れる。

俺が上から乗し掛かったのに僅かに眼を見張った八雲さんは、ふわりと表情を緩ませ優しい手付きで俺の髪を撫でた。


「…可愛い子。…僕の為に頑張ってくれて、ありがとうね」
「──ひあぁぁっ…! ゃ、やくもさっ…!」


柔らかい微笑みと言葉とは裏腹な、激しい突き上げ。

俺の全てを貪り尽くすような八雲さんの激しさに、俺が感じたのは慶び。

…無二のご主人様に褒めて貰える事、やっぱりとても嬉しいんだ。

必死に八雲さんに縋って鳴き続ける俺の頬に、優しい柔らかい感触。

いつも読めない笑みを浮かべた艶やかな唐紅が、ただただ優しく慈しむように、俺に触れてくれた。


「ぁ、あっ…! ひ……んっ、やくもさん、やくもさん…あぁぁっ!」
「…綺、…あや」


ひっきりなしの快楽に、もう俺の思考はぐちゃぐちゃ。

だけどただ、この人が寂しさなんて感じないように、必死にその躰に抱き付く事だけを忘れなかった。


「あっ、あ、…や、また…いくぅ…っ!」
「ん…、いいよ…綺、僕も…」
「ん、あ…、あぁぁぁぁぁっ…!!」
「んッ…!」


意識が擦り切れそうな快楽の中、カラダのナカで弾けた熱さを、感じた。



* * *



「…んっ…」


…今、何時…?

眼裏の視界が赤い。…光が、眩しい。


「ん、ぅ……?」
「…綺?」


柔らかい、どこかぼんやりとした調子を載せた声が、ふわりと降るように俺の名前を呼んだ。

ぱちっ、キツく閉じられていた瞼が開く。

起き抜け一番に見たのは、相変わらず見惚れるくらいに整ったご主人様の顔。


「ぁ、八雲…さん」
「…おはよう、綺」
「おはよう…ございます…」


纏ったシーツから、眩しい素肌を惜しげもなく露出し、八雲さんはいつも通りの笑顔で俺の髪を撫でた。


「ねぇ、綺、お腹減ったよ」
「…あ、はい、…朝ご飯作りますね」


返事をして、気怠い躰を黙殺してベッドから起き上がる。

今日が平日で、もう一限目の授業が始まる時間だなんて関係ない。

…今日も大好きなご主人様に、美味しい朝ご飯を作らなくっちゃ。














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八雲さんシリーズ夜編、一区切りです! 途中何度も、有り得ないくらい間が開いてすみませんでした!orz

綺の忠誠心は、さり気に結構なものだったりします。八雲さんの為になるなら何でもするよ?、みたいなw

八雲は何を考えてるか分かんないなりに、色々ある人。…その色々が本編中で語られるか謎ですがw(ぇ)


【蜂蜜砂糖 にじゅう】 11/3/31

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