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蜂蜜砂糖 log
俺と八雲さんの月夜 C ※

「は……ぅ」
「…平気、綺?」
「っ…」


呻く俺を見て八雲さんが微かに笑った振動さえ、敏感になった内側をくすぐった。

…やだな、この体勢、凄い…。

だけど、恥ずかしくても、怖くても、俺は八雲さんに気持ち良くなって貰わなきゃいけないから。

艶やかに微笑む八雲さんを見つめ返して、俺はゆっくりと腰を持ち上げた。


「…はっ…ぅん」


ずるりと彼の上から退けて、また奥深くに収めて。それを幾度か繰り返すけど、彼がするみたいにすぐに自分のイイトコロを見付けだす事が出来ない。

自分のペースで動くのって、こんなにも難しいものなのか。

戸惑う俺を見上げて、八雲さんは笑う。


「どうしたの綺、動き方が分からないの?」
「…は、ぁ…だって…」
「ふふ、しょうがない子。…ほら、ココでしょ?」
「! ふぁぁんっ!」


下にいる八雲さんが腰を揺すって、俺の場所を正確に突き上げた。

ポンコツで浅ましい俺の躰が感じるのは、内側から躰を駆け巡る快感と息苦しい程の圧迫感。

グッグッと押し上げるように八雲さんが腰を揺する度、俺は快楽に腰を砕けさせて彼のお腹の上に崩れ落ちた。


「ふぁっ、あ…や、ダメっ…!」
「…ほら、綺。自分でも動いてみせて」
「やっ…ぁ、ムリぃ…!」


いつも通りの雲のような笑みに、一滴だけ艶を零したような表情で八雲さんが笑う。

俺だって、自分で動いて八雲さんを気持ち良くしてあげたいけど。

俺が自分から動くのを要求するなら、どうか八雲さんは大人しくしていて…!


「あっ…ぁ、八雲さっ、動いちゃ、ダメ…だって…!」
「んー?」


断続的に与えられる刺激に耐え、俺が途切れ途切れになりながら懇願しても、八雲さんは惚けたように笑うだけ。

…勿論的確に奥を突き上げる動きは止めないから、この人は本当に質が悪いと思う。


「ん、…じゃなくてぇ…ひぁっ、そこぉ…!」
「ふふ…、結局綺がいっぱい感じちゃってる…ね」
「あぁぁっ!!」


グイッ、と、一際強くその穏やかな表情からは信じられない程に乱暴に、急所を擦り上げられた俺は、放置されていた癖に莫迦みたいに張り詰めていた自身から、ぴしゃっと少量の白濁を吐き出した。

一人で軽く達してしまった事実にショックを受けながらも、俺の絶頂なんてお構いなしに突き上げる八雲さんに悲鳴にも似た嬌声をあげる。


「あっ、ぁ…やっ、俺、まだっ…」
「…ナカ、ビクビクしてるね、綺。そんなに気持ちいい?」
「あ、っあ…、や、きもちいっ…い、…ひっ、やくもさんっ…!」


クスクスと笑う彼の声すら、俺には快楽を煽る因子でしかない。

…一部的に働かない感覚を補うように、他の感覚は発達するというけれど。痛覚を持たない俺にもそれは当てはまるらしく、聴覚や触覚は敏感になっている。



【蜂蜜砂糖 じゅうきゅう】 10/11/30

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あきゅろす。
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